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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

40代の男たちがこの時代に
モチベーションを上げる術

 
 
「負け組になってはいけない」 と強調する和田氏。その矛先は現在の日本社会の構造的問題に向き、さらに厳しく、鋭さを増していった。
 
 

錯覚を見抜く感度

 
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 1999年の税法改正において、景気対策の一環として、富裕層を中心に減税や優遇措置がとられましたよね。しかし、富裕層というのは、お金を持っていても使いません。結局格差ばかり広がって、政府が思い描いたような、彼らの資産が有効消費に回る社会にはなりませんでした。
 これは私の持論ですと、むしろ逆です。以前のように累進課税を認め、法人税を高くして、代わりに企業会計はどんどん経費を認めればいい。中小企業の社長さんなんか、昔は 「税金に取られるくらいならゴルフ接待するわ」 なんて、気前良くやってたでしょう。
 また現在では、株価が経済の指標だという考えが浸透していますが、本来、経済はGDPの成長率と失業率で見るべきです。これもやはり、富裕層の投資家たちに刷り込まれた錯覚です。
 さらに言えば、「弱者を助けるべきかどうか」 というアンケート調査で “NO” の回答率が世界で最も高かったのが、実は日本人であることはご存じでしたか。先進国の中でも例がないほどの低福祉国家でありながら、マスコミも国民も “弱者切り捨て” 一色になっています。生活保護をめぐる議論でも、実際には、生活保護費がGDPに占める割合はOECD諸国平均の2.4%に対し、日本はわずか0.7%です。弱者に厳しいアメリカでも3.7%あるんですよ。「福祉財源を削れ! 民間の資産を取り上げるな!」 ともっともらしいキャンペーンを張っているのは、実は富裕層です。彼らは自分が福祉の世話になんてなるはずがないと思っているし、そうであれば、いかにお金を供出せずに済ませるかを考えますから。一般の国民は、本当なら福祉を削られたら怒らなくてはならないのに、今は一緒になって 「下げろ!」 と言う。いつリストラにあうかわからない時代なのにですよ? この錯覚を、我が身の問題として、しっかり理解しておかないといけません。
 
 
 
困難な時代はまだ続く。しかし、悲観する必要はない。和田氏は、今の状況も、自分と会社との関係あるいは生き方そのものを見直す、良い機会になると説く。
 
 

仕事と人生の可能性を見直す絶好の機会

 
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 会社という限定された世界の中で勝ち組だ負け組だと言っても、何にもなりません。「こういう時代だから」 と諦めてみせるだけでも、どっちつかずに終わってしまいます。自分は会社の中で仕事人間として生きるのか、それとも会社は給料をもらう場所と割り切って、5時以降の生活の充実を図るのか、腹を決めるべきです。そして、行動を起こすべきです。
 後者のほうは、5時以降は副業を始めるとか、新たなステージを切り拓くために資格の勉強をするとか、会社以外で実りある時間を過ごす考え方です。最初にお話ししたように、うつ病から回復した人が会社に復帰すると、元のようなハードな仕事は与えられず、“窓際族” の扱いを受けるかもしれません。だったら、5時ぴったりにありがたく退社させてもらって、外でしっかり勉強して資格を取って、起業すればいいじゃないですか。
 仕事人間として生きると決めたほうも、会社に依存しすぎると危険です。社内で出世したところで、そもそもその会社自体が存続するかどうかわかりませんし、終身雇用が制度的に崩壊して、能力さえあれば転職だって以前よりしやすくなっていますから、同じ会社にしがみ付いていることはないという考え方もあります。
 どちらにしても、40代というタイミングと今の日本の状況は、自分が仕事人としてこの先どう生きていくかについて本気で考えて行動に移せる良い機会です。そう捉えれば前頭葉も元気になるし(笑)、仕事も人生も、可能性を広げられると思います。
 
 
 
 
(インタビュー・文 伊藤秋廣 / 写真 Nori)
 
 
 
 

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