B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

ライフスタイルLIFESTYLE

◆国の登録有形文化財に登録される
 旧国鉄駅長宿舎を活かした宿泊施設

 
glay-s1top.jpg
2019年8月、矢岳駅に誕生した星岳 月岳
先月10月5日、2016年4月の熊本地震から3年半ぶりに熊本城大天守外観復旧記念として熊本城が特別公開されました。復興へとまた大きく一歩踏み出し、ますます活気づくことが期待されている熊本県。その県南に、「日本で最も豊かな隠れ里」と呼ばれる、魅力あふれる地域があります。
 
豊かな自然を誇り、日本遺産認定文化財も数多く点在する人吉球磨地域。この地域を走るJR肥薩線の矢岳駅に今年2019年8月、ユニークなホテルがオープンし注目を集めています。古民家一棟貸しの「星岳 月岳」は、国の登録有形文化財に登録されている旧国鉄駅長宿舎をリノベーションしたホテル。今では希少な存在となった明治時代の鉄道官舎建築に宿泊できるとあって、開業から話題となっています。
 
ユニークなのは、ホテルの建物だけではありません。肥薩線が走る人吉球磨を一つのホテルと見立てており、星岳 月岳は、人吉駅と大畑駅・矢岳駅の2つの無人駅をまたぐ秘境オーベルジュの宿泊棟という位置づけ。人吉駅にチェックインしたその瞬間から、原風景とレトロな駅が非日常を演出する、ノスタルジックなひと時が始まります。
 
 

◆列車でつながる宿とレストラン
 アトラクティブな宿泊体験

 
列車がつなぐ宿泊体験は、人吉駅でのチェックインからスタート。観光列車「いさぶろう」号に乗り込んだら、ゆったりと流れる車窓を楽しみながら、まずは宿のある矢岳駅を目指します。ディナーは、再び列車に乗り込み、一路大畑駅へ。昼間とはまた違った表情を見せる四季折々の風景も、前菜の一つのようにムードを盛り上げます。
 
glay-s1top.jpg
1909年に開業した矢岳駅の木造駅舎
glay-s1top.jpg
3駅をまたぐ地域全体が一つのホテル
glay-s1top.jpg
囲炉裏キュイジーヌ「LOOP」
 
glay-s1top.jpg
ディナーの後はクラシックタクシーがお出迎え
列車を降りると、囲炉裏キュイジーヌ「LOOP(ループ)」はもう目の前。LOOPは、駅開業時に建てられた旧保線詰所をリノベーションし、昨年2018年9月にオープンしたモダンフレンチレストランです。ディナータイムは宿泊者1組限定の貸し切り営業となり、人吉球磨の郷土料理とフレンチが融合した美味が、宿泊客をもてなします。滋味豊かな郷土の食材や球磨焼酎、地域の食文化を五感で楽しむ贅沢なプライベートディナーは、日常を忘れさせ、心身を満たしてくれることでしょう。
 
心ゆくまでディナーを楽しんだあとは、列車ではなく、クラシックタクシーで宿までしばしのドライブがお待ちかね。暗い山道では野生動物と出会うこともあるとか。ナイトサファリ気分を楽しむうちに、楽しい旅の夜はあっという間に更けていきます。
 
 

◆100年以上の歴史を持つ建物に
 心地よさと新しさを吹き込んだ宿

 
glay-s1top.jpg
レトロな歴史的建築物で過ごす、贅沢なひと時
星岳 月岳は、冒頭で述べたとおり、国の登録有形文化財にも登録されている希少な歴史的建築物をリノベーションしたラグジュアリーホテル。施設内には、100年以上の歴史の趣を活かしながら、快適性や居心地のよさが隅々まで盛り込まれました。家具は一勝地曲げ職人の淋正司氏が製作を手がけており、木目の美しいテーブルやキッチンカウンターなどが、空間に自然の温もりと洗練された空気を生み出しています。そのほか、肌触りのいいガーゼのパジャマや今治タオル、オーガニックソープなど、アメニティもこだわりが感じられるものばかりです。
 
glay-s1top.jpg
心地良さにこだわった寝具をそろえた寝室
glay-s1top.jpg
建物の趣は大切に、快適さをプラス
glay-s1top.jpg
木目が美しく、優しい肌触りが嬉しい浴室
 
1909年の矢岳駅開業から駅舎を見守り続けた建物に、新たな命が吹き込まれた星岳 月岳。この場所で広い空や豊かな緑を眺めていると、都会のせわしなさが嘘のように感じられ、いつもより時間の流れが穏やかに感じられるのではないでしょうか。豊かな隠れ里・人吉球磨の魅力を五感で享受する宿、星岳 月岳で列車がつなぐ贅沢な旅時間をぜひ体験してみてください。
 
 
 
星岳 月岳
http://www.crh1.jp/hotel/
〒868-0813 熊本県人吉市矢岳町字葭ノ本4762
TEL 080-2131-3663
定休日 火・水曜
 

ライフスタイルランキング

関連記事