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◆衰退の危機を乗り越え
   進化した銭湯がブーム

 
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まるでラグジュアリースパのようなモダンな浴場。これが銭湯!?
 古くから庶民の日常の一部として親しまれていた普通公衆浴場――いわゆる銭湯。しかし、各家庭に内風呂が普及した現代において利用者は年々減少している他、後継者不足や燃料の高騰といった問題もあり、近年では廃業する銭湯が後を絶ちません。そのいっぽうで、大型入浴施設をレジャーとして楽しむ機会は増えると共に、趣味として銭湯を楽しむ新たなファンも少しずつ増えています。こうした日本人の風呂好きも背景にあってか、最近、銭湯は進化を遂げ、再注目され始めました。その大きな流れを担っているのが“デザイナーズ銭湯”の登場です。
 
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緑に囲まれた新生・久松湯の外観。一見すると美術館のよう
 デザイナーズ銭湯とは、建築家がデザインを手がけ、建物や内装、浴室に趣向を凝らした銭湯であり、多くは古くからある銭湯をリノベーションしたもの。昔ながらの趣を活かしたレトロなものからスタイリッシュなものまでタイプは様々ですが、あくまで“スーパー銭湯”ではなく銭湯なので、リーズナブルな価格が魅力です。そんな中、ひと際話題を集めているのが、東京都・練馬区桜台にある久松湯。2014年の5月にリニューアルオープンした久松湯は、なんと、地下1500mからの天然温泉とプロジェクションマッピングが楽しめるという、アツいスポットなのです。まだまだ冷え込む今の時期、温かい湯船に浸かりながら、アートに触れる癒しのひと時をご紹介しましょう。
 
 

◆自然の中にいるような
   開放感を味わえる銭湯

 
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自然との一体感を味わえる露天風呂も新設
 もともと、久松湯は地域のコミュニティの場として1956年に開業。当時はもちろん、番台や浴場の背景画といった銭湯の馴染みのスタイルでした。その後、時代のニーズに応えて少しずつ変化を取り入れながら、営業を続けてきたと言います。そして2011年――東日本大震災の影響で建物も被害を受け、設備を全て刷新することになったのでした。新生・久松湯をつくるにあたり大切にしたのは、創業時からのテーマである“地域のコミュニティの場”として、現代的で魅力あふれる公衆浴場の実現。そして、お湯自体の魅力を取り入れること。こうして、新たな久松湯には天然温泉が引かれることとなったのです。
 
 こうして2014年5月、天然温泉を引いた露天風呂をはじめ、新たな試みを多数採用し「雑木林の中の公衆浴場」というイメージの下に生まれ変わりました。外観も、一見すると美術館のようなモダンなデザインに一新。脱衣場や洗い場を挟むように中庭や露天風呂といった外の空間を配した他、格天井に設けられた空の見える可動トップライトのおかげで、浴場内は明るく開放的な雰囲気に。どこにいても、まるで屋外にいるかのような、自然との一体感を味わえるようになっています。そして、銭湯の醍醐味である背景画は、久松湯一番の見どころとも言えるプロジェクションマッピングへと姿を変えました。
 
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脱衣所も陽光を取り入れ、明るい雰囲気
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洗い場から中庭を眺められるのも特長
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どこにいても、屋外にいるような開放感
 

◆湯船に浸かってアートを堪能
   銭湯の未来を拓くハイブリッド

 
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浴場の壁には背景画でなくプロジェクションマッピング! アトリエオモヤによる「ゆのみち」
 浴場の壁を使ったプロジェクションマッピング「ゆのみち」を手がけたのは、光や水といった身近な素材をアートへ昇華した作品で知られるアトリエオモヤです。時と条件によって、様々な表情を見せる湯の、滴り、溜まり、漂い、流れ落ちる瞬間に着目した光の演出は、見ているだけでも癒されると大好評。ゆったりとした空間で、湯船に浸かりながらアートに触れる・・・自宅の風呂では味わえない、まさに、至福のひと時を過ごせます。風呂×プロジェクションマッピングという画期的なハイブリッドにより、これだけ楽しめてワンコインでお釣りがくるとは嬉しい限り。これも久松湯が銭湯だからこそです。
 
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お湯の表情を表現したという光の演出が浴場の雰囲気とマッチ!
 天然温泉の露天風呂をはじめ、炭酸泉や季節の風呂、機能風呂、サウナを設置している他、待ち合いロビーにはリラクゼーションコーナーも併設。時代と共に姿や形は変わっても、久松湯では創業時からのテーマである “地域のコミュニティの場”としての機能が受け継がれています。一日の終わりに・・・休日に・・・誰かと語らいながら、広々とした湯船で手足を伸ばせば、体も心も温まるはず。デザイナーズ銭湯のブームを機に、銭湯の魅力を見直してみませんか? 新時代の銭湯文化を牽引する天然温泉 久松湯で、ぜひその良さを体験してみてください。
 
 
 
 
天然温泉 久松湯
〒176-0002 東京都練馬区桜台4-32-15
TEL 03-3991-5092
営業 11:00~23:00
定休日 火曜日
 
 (この情報は2015年2月18日現在のものです)
 
 
 
 

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