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◆目覚めはいっぱいの味噌汁から

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 みなさんは毎日、朝ごはんを食べていますか。朝ごはんをとるかとらないかで脳の働きがずいぶん違います。仕事の能率を上げるためにも、朝は何か食べておきたいものです。
 さて日本の伝統的な朝食といえば、ご飯に味噌汁。あたたかい味噌汁で迎える一日の始まりこそ、心落ち着く瞬間です。依然として高い人気を誇る朝のメニュー…と書きたいところですが、パン・コーヒー党がかなり増えてきた昨今はそうでもない様子。総務省の統計データによると、1970年からの約40年間で、1世帯当たりの味噌購入量は半減。味噌を取り巻く状況はまさに危機的です。そんな中「もっと味噌ファンを増やしたい。少しでも多くの人に食べてもらいたい」と願いを込める味噌の老舗が京都にあります。創業から160余年の「御幸町 関東屋」。昔ながらの手仕事を生かした味噌づくり、そして味噌を使った新商品の開発に取り組んでいます。
 
 
 

◆品質第一、思いは一途

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京都では白味噌雑煮で新春を祝います。

 京料理人や和菓子職人など多くのプロが愛用する「御幸町 東屋」の味噌。支持される理由は“品質第一”の信念にあります。味噌づくりで難しいのは、同じ環境で同じ原料を使っても、必ず微妙な差が生まれるという点。そのため「この前、お届けした味噌はどうでしたか」と料理人らにたずね、最良の品質を常に提供できるように対応するそうです。目先の売上よりも、プロの意見を聞きだすコミュニケーションを大切にしています。
 味噌の良しあしを決める麹づくりに関しては、老舗のこだわりが。温度計など部分的に機械を取り入れてはいるものの、頼りになるのは職人の感覚。麹菌を育てる過程では、育ちムラがないか手のひらで探り、じかに麹と向き合います。育ち具合が気になって夜中の0時に様子を見ることもあるとか。味噌づくりにかける一途な思いがひしひしと感じられます。
 
 

◆新たな味噌ファンの獲得へ

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『白味噌あいす』(1個・315円)。

 品質第一につくる味噌を、より多くの人に広める取り組みにも積極的。たとえば新商品の開発。京都ならではの白味噌を使ったおやつをつくっています。牛乳タイプと豆乳タイプの2種類が楽しめる「白味噌あいす」。そしてぷれーんや九条ねぎ入の「白味噌おかき」。どれも独特の甘みを含んだ味わいが評判です。新商品の構想を常に持っていて、今後の展開がとても楽しみ。
 また、味噌に対する理解を深めてもらうため、地域の小学校で社会学習の一環として味噌づくり体験も実施しています。子どもたちが仕込み、お店で1年ほど熟成。完成した味噌を受け取った子どもたちはとても喜び、家に持ち帰って味噌汁などいろんな料理を楽しんでいると聞きます。フランスからやってきた三ツ星店シェフがこちらの味噌にほれ込み、それ以来、取り引きが続いている例も。世代、国籍を問わず、着々とファンを増やす「御幸町 関東屋」の味噌。未知の可能性が、ファン獲得のミソなんです。
 
 
  御幸町 関東屋
  京都市中京区御幸町通夷川上ル松本町582
  075-231-1728
 
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