後藤　中には「痛みさえ取ってくれればいい」という方もおられます。でも、それはその場しのぎの治療でしかありません。私が理想とする病気の治療とは、原因をしっかりと取り除くこと。もっと言えば、なってから治すのではなく、ならないようにする療法なんです。
 
杉田　原因療法といわれるものですね。医療費増加が問題となる日本では、今後、いかに病気にならないかという意識を私たち一人ひとりが持つことが非常に重要だと思います。その中で、歯科医として果たすべき役割を、後藤院長はどのようにお考えですか？
 
後藤　予防するための確かな知識を伝えていくことですね。例えば日本人のほとんどが、毎日歯磨きをしています。しかし、多くの人が歯周病になっています。それは、どこをどのように磨けばいいか知らないからなんです。このような知識の啓蒙には、我々歯科医だけでなく、歯科衛生士さんの力も必要です。だから今後は、専門医、歯科医という立場から、歯周病治療に詳しいドクターや、衛生士の教育もしていきたいと思っています。
 
杉田　私も今日、後藤院長から歯周病のお話をうかがい、歯磨きへの意識が高まりました。良い患者が医師を育てると後藤院長はおっしゃいましたね。良い医師もまた良い患者を育てると思います。本日はとても勉強になりました。ありがとうございます！