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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

補聴器を通じ生活を支え
人生をより楽しいものに

 

補聴器の普及率が低い日本

 
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川上 考えてみれば、相手と会話ができないと人との関わりから遠ざかるようになりますから、コミュニケーションの機会も失われますよね。それによって、認知症が引き起こされる可能性もあると思います。そうすると、認知症予防のためにも、早いタイミングで補聴器をつけることが有効なんですね。でも、難聴の症状は、自覚できるものなんでしょうか?
 
鶴田 突然に聴力が低下した場合を除き、自覚しにくいのが一般的です。例えば、目も歳を取ると老眼になりますよね。その場合、文字が見えづらくなりますから、わかりやすいんです。でも、人の言葉は、もともと聞き間違えやすい単語があったり、人によって発音が明瞭でない場合があったりします。ですから、聴力自体は正常な人であっても、思わず聞き返してしまった経験がある方は少なくないと思います。ご高齢者の場合はその傾向がより顕著なんです。耳は次第に聴き取りにくくなるものですから、ご本人が自覚しない場合が多々あるんですよ。
 
川上 なるほど。例えば、家族に難聴を指摘されても本人が否定するのは、決して見栄や意地を張っているわけではないこともあるんですね。ところで、補聴器そのものは、決して新しいものではありませんよね。やはり昔の製品に比べて、現在は性能も進化しているんでしょうか?
 
鶴田 ええ。私が若い頃に流通していた補聴器に比べると、性能も見た目も格段に良くなりました。これが耳かけ型補聴器のサンプルです。どうぞ試着してみてください。
 
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装用していることが気付かれにくい耳かけ型補聴器
川上 はい、それでは・・・。あ、なるほど、マイクが耳の上にあって、スピーカーが耳の中に入るんですね。着け心地も悪くないですし、髪型次第では補聴器を装着しているのをほかの方に気付かれないでしょうね。
 
鶴田 そうなんです。しかも最近のモデルは、スマートフォンと連動して音楽を聴くこともできるんですよ。
 
川上 すごい! 流行しているワイヤレスイヤホンみたいですね(笑)。現在、日本での補聴器の普及率はどれくらいなのでしょう?
 
鶴田 難聴を自覚している人の割合は10~11%で、これは欧米と比べても大差ありません。しかし、難聴を自覚している人の中で補聴器を使っている人の割合となると、アメリカでは約30%、ヨーロッパでは40~50%。これに対して日本では14%ほどなんです。