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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

多くの人が利用しやすいUDの深化発展とデザイン
株式会社武者デザインプロジェクト 代表取締役 武者廣平

 
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インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
 工業デザインやパッケージデザインなど幅広いデザイン業務を手がける、株式会社武者デザインプロジェクト、代表取締役の武者廣平社長にお話をうかがいます。ユニバーサルデザイン、略してUDを実践・啓蒙しているそうですね。UDとはどのようなものか教えてください。
 
武者 UDとは、米国の建築家ロナルド・メイスが提唱したもので、言語の違いや年齢・性別の違い、そして障がいのあるなしを問わず、できるだけ多くの人が利用しやすいものを目指したデザイン思想です。
 
 それは、いわゆるバリアフリーとは異なるんですか?
 
武者 ええ。バリアフリーは障がい者視点からのアクセシビリティ改善を中心としていて対象も限られます。しかしUDは、一般ユーザー視点から広く俯瞰し、様々な問題解決を図る手法で、できるだけ多くの人達が対象です。もともとメイス自身も車いすを使用していて、バリアフリー住宅の設計をしていました。ところが、障がい者のためのバリアフリーに特化していると、逆に一般社会に広がりにくい。そこで、視点を変えて誰もが使いやすい理想的なデザインという新概念を提唱し、そのための原則を体系化したのがUDです。私はスタイリングやトレンド面が強調されがちなデザインに、安心や安全といった利用者への配慮を重視したUDに共感を持ち、ぜひ広めていくべきだと考えました。
 
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アルメディオ/ レーザー読取式 レコードプレーヤー
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インターリハ/ 認知症予防機能エアロバイク
 なるほど。これまで手がけてきたデザインは、エアロバイクや医薬品パッケージなど、僕も目にしたことがあるようなおなじみの製品がたくさんありますね。最近、ドイツのミュンヘンで世界初のレコードプレーヤーを発表されたとお聞きしました。
 
武者 はい。レコードの溝をレーザーで読み取る光ピックアップのプレーヤーで、オープンタイプとしては世界初です。従来アームは針がレコード溝を追従して再生する関係上、向かって右側に配置されていました。そのためレコードをぶつけやすく、傷がつく一因だったんです。そこで、針を使わない非接触読み取り方式であることを活かし、新たに逆の左側に配置することで扱いやすくしました。ほかにも、誰でも直観的に使い方がわかるようなデザインを心がけています。製品の使用方法がわからないと、無理な扱い方や間違った使い方を誘発し、事故につながることもありますからね。
 
 確かに僕も昔、レコードをかけるときに傷をつけてしまったことが何度もありましたよ。