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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール (そめや たけまさ)埼玉県出身。父親は注文住宅を手がける大工で、その影響を受けて育つ。学校卒業後、「住宅よりも大きな建物を手がけたい」との思いが募り、父親の反対を押し切って寺社建築を手がける工務店に弟子入りした。数年かけて技術を磨き、25歳のときに日本木工(株)に移る。2014年に先代の後を継ぎ、代表取締役に就任した。【ホームページ
 
 
 
日本の歴史や文化が世界から注目を集める昨今。多くの観光客・参拝客が訪れる寺院・神社などの建造物を、縁の下で支えているのが宮大工だ。中でも、千葉県にある日本木工株式会社は、国宝や重要指定文化財など、歴史的に価値の高い建造物の修理も手がけている。大工として豊富な経験を持つ染谷武將代表取締役は、先人の知恵が散りばめられた歴史的建造物を後世に残し、自身が培ってきた匠の技を惜しみなく後進に伝えている。
 
 
 

貴重な歴史的建造物の修理も担う

 
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インタビュアー 矢部みほ(タレント)
矢部 日本木工さんは、日本の伝統的な工法を用いた建築を手がけられているそうですね。
 
染谷 はい。寺院建築・神社建築・歴史的建造物などの新築や改修を手がけています。ちょうど職人が工房で作業をしています。よければ見に行きますか?
 
矢部 ぜひ、拝見したいです! 街で建築現場を遠目に見ることはあるものの、実際の作業を間近で見ることはありませんから。わぁっ、広い!
 
染谷 つい最近までお寺の新築の本堂を手がけていたので、その材料となる木材がたくさんあったのですが、すでに現場での作業に移ったので今はがらんとしています(笑)。
 
矢部 ここにある木材はとても歴史がありそうですね。
 
染谷 ああ、これは現在修理工事中の建造物の部材の一部で、建物自体はおよそ300年前に建てられたものです。
 
矢部 300年前!? そんな昔の建造物が残っているとは驚きます。それにしても、そんな貴重な建造物を工房に持ってきて、大丈夫なんですか?
 
染谷 大丈夫ですよ。現地では設備などが充分ではなく、効率の良い作業ができないので、特別な許可をいただいて工房に移しています。