B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール (いとう まこ)神奈川県鎌倉市出身。カレールーなどを販売する(株)エム・トゥ・エムの2代目代表取締役である父のもと、長女として誕生。学校卒業後は保険外交員として働くも、経営不振に陥った家業を救うべく3代目に就任、工場長を務める弟と二人三脚で会社を立て直した。化学調味料や添加物不使用の商品は味わい深く、多くの家庭に愛されている。現在は高級スーパーでの取り扱いを中心に、インターネットでも販売中。【ホームページ
 
 
 
食品会社の株式会社エム・トゥ・エムは、現在、伊藤眞代代表取締役で3代目。自身の曽祖父が礎となり、祖父が会社創設、父が守り抜いてきた商品となると、伊藤社長が愛着を持つのは当然だろう。さらに、同社では、パートスタッフに至るまで、自社製品に深い愛情とこだわりを持っている。全ての商品に妥協を許さず、おいしく食べてもらいたいとの思いで世の中に出荷する――。エム・トゥ・エムの作業は、製造というよりも、教育あるいは子育てに近いかもしれない。
 
 
 

味と美学を守り続けて80年以上

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 川上麻衣子(女優)
川上 カレーやホワイトソースなどのルーの製造販売を行うエム・トゥ・エムさん。固形タイプが主流の中、粉末タイプを扱っていると聞きました。珍しいですね。
 
伊藤 固形だと、固めるために大量の動物油脂が必要になるので、粉末にしているんですよ。レシピ考案者の祖父の代から守っている製法で、化学調味料や添加物を一切使用しません。
 
川上 お祖父様の代からのこだわりでしたか。味だけでなく、歴史にも深みがあるルーなんですね。
 
伊藤 味と歴史への絶対的な自信も、化学調味料を用いない大きな理由の1つですね。
 
川上 食品の添加物が注目されるようになったのは、平成以降のように記憶しています。ずいぶん時代を先取りされていて、驚きました。
 
伊藤 確かに、私が3代目の代表取締役に就任した2000年頃も、まだ多くの方が疑いもなく化学調味料を口にしていましたね。でも私は、祖父の味を変えたくなかった。大手スーパーなどの量販店からの取引依頼を断ったことも、1度や2度ではありません。大量消費による売上向上は魅力的ですが、「高品質」という軸をずらしたくなかったんです。
 
川上 そこまで商品にこだわるエム・トゥ・エムさん。ぜひ成り立ちからお話をお聞かせください!