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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

プロが認める風味と食感 
上質の漬物を適価で提供

 

伝統漬物を後世に引き継ぎたい

 
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塩田 おいしいのは当然として、弊社では「あの料理人さんならこの漬物を気に入ってくれる」「あのお店の料理にはこの漬物が合う」など、どなたに提供する漬物なのかが思い浮かばない商品は扱いません。ですので、新商品に加えたい漬物を試食する際、私は社員を集めて意見を求めます。ちなみに、私が先に発言すると他の社員が意見を言えなくなるので、下の者から順に聞いていくんですよ。
 
川﨑 なるほど。先ほど、塩田社長は漬物は脇役だとおっしゃいました。確かに、脇役が個性を発揮しすぎては良い舞台になりません。だからといって下手な役者でもよくない。主役と脇役の息がぴったり合ってこその名舞台だと思います。
 
塩田 その通りですね。また、当社では先代の頃より適価での販売を大切にしているんですよ。扱っている商品は、どれも素材や漬け方にこだわったおいしい漬物であると自信を持っているとは言え、適価よりも高く販売しようとは考えていません。例えば、菊やさくらんぼなどの漬物は高値が付き、大根や葉野菜は安値が付くのが業界のセオリーです。どんなにおいしい大根の漬物でも、さくらんぼと同価格では販売しません。逆もまた然りで、紅花を使った漬物を白菜の漬物と同じ価格にすることもない。高すぎず安すぎず、適価で提供することを大切にしています。
 
川﨑 高品質の漬物を一定価格で提供する。それを貫いてこられたからこそ、戦前から今日まで暖簾が引き継がれてきたのでしょうね。
 
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塩田 昨今、減塩ブームや嗜好の変化で、求められる漬物の味は変わってきました。私は酒もたばこも口にしないので、アミノ酸系などのうま味調味料、保存料を使用している漬物は試食すればすぐにわかります。しかし、世間ではこうした漬物がもてはやされていることも事実です。その陰で、全国にあるいくつもの伝統漬物が失われつつあります。そのひとつが「初島たくわん」。麻世さんは、この漬物をご存じですか?
 
川﨑 いえ、初めて耳にしました。初島というと、静岡県の熱海の?
 
塩田 そうです。海水とふすまぬかを使い、干し大根を漬けたもので、私は業界に入りたての頃、この初島たくわんをとてもおいしいと感じました。同じように、人々が食べなくなったことでつくり手が途絶え、もはや製法さえ途絶えかけているような漬物は全国にあるんです。そうした伝統漬物を後世に引き継ぐような取り組みを、この先していきたいとも思っています。
 
川﨑 そうした取り組みは、漬物業界や産地を活気づけていくことでしょう。漬物ファンとして、今後の活躍を期待しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
笑うこと、これに尽きますね(笑)。笑顔でいれば、仕事はもちろん、どんなことでも全て楽しめるはずですよ。
(塩田達也)
 
 :: 会社概要 :: 
   ■ 社名 株式会社十一屋総本店
 ■ 本社 〒105-0004 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル402
 ■ 築地中央卸売市場店 〒104-0045 東京都中央区築地5-2-1
 ■ 船橋市中央卸売市場店 〒273-0001 千葉県船橋市市場1-8-1
 ■ 事業内容 高級漬物・味噌の製造卸業
 ■ 設立 昭和18年3月
 ■ 従業員数 31名
 ■ ホームページ http://www.jyuichiya.co.jp
http://www.rakuten.co.jp/11ya