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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

顔の見えるシステム開発
により満足度UP目指す

 

業務システム開発は文系向きの仕事

 
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川﨑 システムやソフトウェアの開発において、一番大切にしていることはなんでしょうか。
 
 開発者同士、そしてお客様との密なコミュニケーションです。コンピュータ業界は理系の仕事で人と接する機会が少ないと思われがちですが、実際はお客様と何度も打ち合わせをする必要があります。対話を通じて相手の要望を汲み取ることが重要ですし、開発側の意図も正確にお伝えしなければなりません。それに、コンピュータ用語は知識のないお客様には馴染みのない言葉ですから、用語を噛み砕いて説明する能力も必要です。
 
川﨑 なるほど。直接会って話し合うだけではなく、相手の理解できる言葉を選びながら説明する、文系的な側面もあるんですね。僕らの業界でも大切な話は実際に会ってするのが基本です。意外にも、御社の業界でもそうなんですね。
 
原 その通りです。最近の若い方の中には、重要な説明をメールで済ませてしまう人が多いと思います。しかし、メールだけで自分の意思を適切に伝えるのは、意外に難しいものですよね。文面上のやり取りだけで、双方が充分に理解していないまま開発が進んでしまうと、終盤に取り返しのつかないことが起こるケースもあるんです。だからこそ当社ではスタッフに、「重要な連絡事項は直接訪問するか電話で話をするように」と常に教育しています。お客様の要望と私どもの意図が一致していなければ、最適な製品をつくることはできませんからね。
 
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川﨑 原社長のお話はよくわかります。舞台の世界では絶対に個人プレーをしてはいけません。演出家や役者、スタッフらが共同でつくり上げてきた世界観を崩さないように気を配りながら、自分を表現するのが役者の仕事です。例えば、主役が急なアドリブを入れて、そのアドリブが世間から評価されたとしても、演出家が評価されるわけではありません。それどころか他の役者や裏方のスタッフたちの努力も無視されてしまい、今まで築き上げてきた連帯感がどんどん崩れてしまう恐れもあります。だから舞台の世界でも、公演に関わってくれる人たちと積極的にコミュニケーションをとって、お互いの目指している方向性を、常に確かめ合うことが大切なんです。
 
 やはり川﨑さんの業界でもそうなんですね。ソフトウェア開発でも、実際に人と会うことで積み重ねてきた経験こそが生きるんですよ。インターネットが広がった世の中だとは言え、今の若い人たちにも直接人と会うコミュニケーションを大切にしてほしいと思っています。