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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

飲食業界の構造変革で
スタッフを幸せに!

 

飲食関連事業で無限のシナジー効果を発揮!

 
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 そんなピンチを、どうやって乗り越えられたのでしょう。
 
山口 店を統括していたスーパーバイザーが、手を差し伸べてくれたんです。1人で30店舗の面倒を見ていたのに、わざわざ私の店のシフトに入って一緒に働き、「こうやるんだ」と手取り足取り教えてくれました。フォローがとても上手な方だったので信じて言う通りにしていたら、なんと3カ月後には結果が出始めたんです。それからは自信がついて、仕事が楽しくなりましたね。
 
 ただやみくもに叱るのではなく、部下のやる気が出るよう、上手に導いて結果を出させてくれるなんて、素敵な上司だったんですね。
 
山口 そうなんです。その方をはじめとして、人との出会いに恵まれてきたことは、誰よりも自慢できることだと思っています。
 
 レインズさんで飲食業の基礎を学ばれた後は、すぐに独立されたのでしょうか。
 
山口 レインズを退社後は、飲食事業に欠かせない立地開発や資金繰りを学ぶために、コンサルティング会社などに転職し、そこで得た経験をもとに、当社を設立しました。社名に「シナジー」とつけたのは、飲食店の運営を中心に、店舗物件の開発、飲食事業の譲渡・斡旋、M&Aの仲介など、食に関するあらゆる分野において、「無限のシナジー効果を発揮したい」と考えたから。ちなみに「エイト」とつけたのは、その無限という意味を込めたのと、当社の登記が8月1日だったからです。
 
 なるほど。社名は、幅広く事業を展開しようという意欲の表れなんですね。飲食は生活に欠かせないものですし、事業拡大のチャンスもたくさんありそう。でもいっぽうで、労働環境面で問題を抱えた飲食関連企業の話題もよく耳にします。そうした業界のあり方について、山口社長はどうお考えですか?
 
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山口 率直に言って、現状は難しい問題だと思っています。飲食店はお客様がいてもいなくても、営業時間中は必ず店員がいなければなりません。そのため経営コストがかさみ、働く人たちの給与水準が低くなってしまう傾向があるんです。そうなるとスタッフは「お客様にどうやって喜んでいただこう」と前向きに考えることができなくなり、しまいには「自分はなんのために働いているんだろう」と悩みばかり抱えるようになってしまいます。また、勤務年数が長くなったスタッフの処遇も、大変難しい面があるんですよ。
 
 若いアルバイトさんを雇ったほうが、人件費を節約できるからでしょうか。
 
山口 その通りです。おまけに店の営業日であれば土日も休めず、結婚しても家族で過ごす時間をとることができない。ですから一般の飲食業では、店を増やせば増やすほど、心身ともに気力をなくしたスタッフがでてきてしまうんです。そんな境遇のせいで、一緒に頑張ってきた仲間が離ればなれになってしまうのは、とても悲しいことです。
 
 では、そういった業界の構造を、山口社長は変えていこうとお考えなんですね。
 
山口 はい。そこで力を発揮するのが、“シナジー効果”なんです!