非鉄金属の市場分析で
「良質の情報」を提供

名高　現在こうして起業されて、今はインターネットも普及しましたけど、当時の経験はどんなふうに活きていますか？

渡邉　現在は40鉱種の非鉄金属情報を扱っており、その情報にも真贋や新旧、浅い深いといった違いがあって、それらを見極める勘は経験則によるところが大きいです。昨日の情報が今日になると陳腐化してしまうこともザラにありますから、蓋然性の高い、質の良い情報だけを選んで顧客に提供するようにしています。そのため、情報の裏を取る作業が非常に重要です。たとえば報道で知った情報も、その報道機関の信用度が高いかどうかまで調べます。

名高　そこまでするのか！　商品の価値を上げるための努力は惜しまないということですね。今日うかがうのはコンサルタント会社と聞いて、情報という “形のない” 商品にどう価値を付けて売るのだろうと思っていたんです。そうしたら「質の良い」というキーワードが出てきて、しかもそこには、やはり経験が生きている。非常に納得しました。私は役者なので、演出家の注文に即座に応えるために様々な経験を頭の引出しに持っていますが、どこか似ているところがありますね。