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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.39 受難の年越しに有事の対応を再確認した

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.39 受難の年越しに有事の対応を再確認した 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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あけましておめでとうございます。佐藤勝人です。皆さんは今年どんな年末年始を過ごしましたか? 私は年明け三が日は恒例の獅子舞巡業でサトーカメラ各店を回りました。移動のたびにお客さんや店のスタッフからおやつをいただくから太っちゃって(笑)、ちょっと絞らなきゃなぁ、と思っているところです。
 
 

首の骨におしぼり
受難続きの年末年始

 
今年もこのチームで獅子舞巡業。厄を払って「ガンバロー栃木!」
と、のんきに始めたけど、私のまわりの年末年始は大変だった。一人は栃木県商業界同友会の幹事で広告代理店社長の檜山さん。身長185cmぐらいある大男だけど、12月上旬に首の骨を折っちゃった。寝ぼけて自宅の階段から落ちたんだって。欠けたとかじゃない、マジの骨折。落ちたまま動けなくて、嫁が救急車を呼んで運ばれたが、普通はそのまま首から下が利かなくなる。でも彼は紙一重で神経が無事で、手術して治った。しばらく後遺症は出るだろうけどとりあえずよかった。
 
と、思っていた12月26日。とちぎ勝人塾のレギュラーであるリネン会社の添田社長の工場が全焼した。20日に勝人塾で「今年代替わりで社長に就任してから設備投資をしました。来年に備え準備万端です」っていう話をしたばかりだったのに、その後一週間も経たないうちに本社と工場が丸焼けだもん。ビックリだよ。
 
出火原因は漏電だったそうだ。26日の午前3時に火が出て、使い捨ておしぼりをつくる機械も、布おしぼりを洗って消毒して乾燥させる機械も、燃えた。従業員300人のうち100人ぐらいが本社工場の従業員。彼らの就業場所が一夜で消えた。
 
今は商品に関しては近隣の関連業者に協力してもらってなんとか回せているが、彼らのことが大変だそうだ。工場を再建するまで約10ヶ月、その間の働き口を世話するのに、知り合いに頭を下げてお願いしまくって、ほぼ働き口を確保したけど、あと数名残ってる。社長は「早くなんとかしてあげたい」と年末年始も走り回っていた。
 
 

「終わった」から奮起するための
初期対応と事前の備え

 
前向きな社長だなぁ、気丈だなぁ、と感じるでしょう。でも、燃えてるのを見た瞬間は「終わった・・・」と思ったってね。「おしまいだ、全部終わった・・・」って。今はもう公式に報告とお詫びの挨拶を出したし、新聞やテレビやラジオでも取り上げられたからこうやって話せるけど。
 
彼からMessengerで火事を知らされたのは26日の午前中。最初に私が伝えたのは「逃げるなよ! こういうときこそ社長の姿勢が大事だぞ!」ということだった。工場が全焼なんて体験は普通はしないから、そういう時に社長がパニックになって現実から逃げちゃう例が多い。でも、逃げたって何も解決しない。自分からその後の人生をふいにするだけだ。だからまず、「幹部も部下も誰も体験したことがないんだから、誰かに丸投げしちゃダメだ! この場面は社長が陣頭指揮を執ること!」と励ました。
 
そして26日の昼。現場に出向くと、見るも無残に黒焦げになった工場の前で、彼が陣頭指揮を執って社員と一緒に片付けをしている様子が見えた。私は「これなら大丈夫、変に外の人間が立ち入らないほうがいい」と思ってそのまま立ち去った。それから塾生の土木建築関係の社長に連絡して、「勝人塾の仲間がこういう災難に遭ったから行って手伝ってあげてほしい。いろいろわからないことが出てくるから。こういうときの土木建築系は頼りになるから」とお願いした。彼は快諾してくれて、明日一緒に行きましょう、ということになった。
 
そして27日。火事のあと初めて会った添田社長は疲れ切っていた。私は「どう? 夜は寝られましたか?」とか、「本社工場が燃えてるのを見たとき何を思った?」と聞いた。あえてそんな質問をしたのは、そういうときは声に出したほうがいいからだ。抱え込ませると良くない。「しんどい」「寝れない」そんな言葉でもいいから、声に出して発散させたほうがいい。そうすればまわりも、「そうだろうなぁ、大変だよなぁ」とか何とか、かける言葉が見つかる。深刻な面持ちで向き合ってたって何にもならないんだよね。
 
救いだったのは、顧客情報等々のデータを入れたサーバーが無事だったことだ。彼の会社は県内だけでも8割のシェアを持っていて、地域の事業者に支持されている存在だから、サーバーが無事だったのは不幸中の幸いだった。これが罹災していたら再建は考えられなかったかもしれない。
 
 

一族で結束して再建に向かう
その姿に社員はついてくる

 
B-plusの読者は工場経営の社長もいるだろうから身につまされる話だと思います。だから、皆さんがこういう予期せぬ災難に遭ったらどう対処すべきか再確認するのに役立ててもらうためにも、私が彼に送ったメッセージの一部を紹介します。26日の罹災直後から彼が段々元気を取り戻してくる30日までを前半後半に分けました。後半は内容のトーンが変わってきている点にも注目してください。
 
「火災はかなり衝撃的過ぎる経験で、人生ゲームみたいな展開ですね。こういったときこそ先頭に立って陣頭指揮を執っている社長の姿に敬服します。こういう姿から社員は添田家に忠誠心が芽生えるのです。嫁はおにぎり、息子を含め一家総出で、ここは見せ所です」
「こういう経験が更に強い会社、強い社長、強い家族、強い社員にしていきますよね」
「年末でどこも止まっちゃっているから、慌ててもしょうがない。冷静に頭を冷やせ。体は休めて、腹の底はコンチクショー!」
 
以上が前半のメッセージ。「嫁はおにぎり」というのは、要は炊き出しだ。腹が減ると人間弱気になる。まず体から元気を補給しろ、みんなに元気を付けさせろ、という意味だ。そして後半のメッセージが以下。
 
「あそこまで燃えたら笑うしかないね」
「くれぐれも身内での責任のなすりつけあいだけは気を付けてね。喧嘩だけにはならぬように。誰が悪いとかいうんじゃなく、前を向くしかないもんね」
「睡眠だけはしっかりと」
「顔色が良くなってきたね。仕事の段取り、従業員の職の手配、立派です。不安がる工場従業員のために、復旧のめどだけは早めに知らせてあげてください。5日にまた行くから」
 
やり取りの間に社長は、「さすがにこの状況だと精神が鍛えられます。前を向いて頑張ります」「やっと少しずつ眠れるようになりました」と、状況を知らせてくれた。私が「5日に」と書いたのは年明け5日という意味で、それに対し彼は、「ありがとうございました。5日は立て込んでいると思うから4日か6日に来てください」と返信してくれた。状況に合わせて日を指定できるぐらいにまで元気を取り戻した彼を見て私もホッとした。
 
10月に台風19号の水害でサトーカメラが浸水するわ、12月にはとちぎ勝人塾の2人が災難に遭うわで、私のまわりの昨年後半は受難続きだった。けど、獅子舞で厄を追い払ったと信じたいね。今年は「ガンバロー栃木!」で行くから、ヨロシク!
 
 
1月22日~2月29日までの勝人塾
 
■1月24日(金)とうほく勝人塾IN八戸+新年会
事務局/やまはる
https://www.facebook.com/events/947682975601479/
 
■1月28日(火)おかざき勝人塾IN岡崎
事務局/岡崎商工会議所
SOLD OUT
 
■1月30日(木)ぎふ勝人塾IN岐阜+新年会
事務局/メイクオーヴァ
https://www.facebook.com/events/1477469025738299/
 
■2月7日(金)みやざき勝人塾IN西都
事務局/西都商工会議所
https://www.facebook.com/events/576765333119380/
 
第26回「ニコニコチャンネル ニッポン勝人塾」(2/3 12:00-13:00)生配信
 
■第16回アメリカ商業流通視察ツアーINニューヨーク4泊6日の旅
2020年6月15日(月)〜6月20日(土)受付開始
https://www.facebook.com/events/2608151352751955/
 
 ■講演依頼・セミナー依頼・個別支援等々の問合せは
https://jspl.co.jp/contact/
 
 
 
繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.39 受難の年越しに有事の対応を再確認した

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2020.01.22)
 

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