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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.30 アメリカ遠征2週間、その収穫

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.30 アメリカ遠征2週間、その収穫 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは。佐藤勝人です。決まったねぇ新元号。「令和」。4月1日の11:30に発表されたんでしょ。でも悪いけど私、31日の22:30ぐらいには聞いてたからね。それをSNSにあげたら親父が「なんで早くわかったんだ?」って。いや、アメリカ視察の途中だったから現地の日付的にそうなっただけの話だけど、ちょっと気分が良かったよね(笑)。
 
 

「店は神のためにある」?
世界の広さを感じさせられた店

 
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帰国記念に娘と。お父さんの気持ち、わかってるか~(笑)
そんなわけで今回はアメリカ視察の話だ。今度の旅で印象的だったことの一つに、アーミッシュの店がある。アーミッシュって、日本の人たちはハリソン・フォード主演の映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』のイメージしかないと思うけど、今回彼らの店に行ったんだよ。週末の3日間だけ営業の、彼らが経営するスーパーで、自家栽培の農作物を売ったりプレッツェルを焼いて売ったりしているんだけど、それがおいしいの。めちゃ行列になってたよ。
 
彼らは普段は俗世から離れているが、要は必要最低限の現金収入を得に来るんだと思う。あと、子どもたちの教育の目的もあるだろうね。お金というものが何で、自分たちの教義に照らしてどう付き合うべきか。学ばせるには商売の場が最適なんだろう。
 
教義といえば宗教的保守派の人たちに人気の店にも行った。チキンフィレサンド発祥の店Chick-fil-A(チックフィレイ)だ。ここはケンタッキーフライドチキンについで2番目の店舗数を誇る飲食店チェーンで、全米に1300店舗以上もある。商品はチキンフィレサンドのみ。驚くのは、日曜が休みなんだよ。チェーン店で日曜に休むのはちょっとビックリだ。あと、私が個人的に世界一のカメラ専門店だと思っているB&H(ビーアンドエイチ)はユダヤ教徒の経営者の店で、イースターの関係で4月は10 連休になっていた。長らく「店は客のためにある」と教わってきたが、「店は神のためにある」という価値観の商売もあるんだなあ、世界は広いなあ、とあらためて思った。
 
 

空港の待合ロビーで垣間見た
二極化するビジネスの未来

 
もう一つ今度の旅で思ったのは、商売のやり方が二極化してどちらか一方しか追求できない時代になりつつあるのかなあ、ということだった。一番それを感じたのは、帰国する日のニューアーク空港の待合ロビーでだった。
 
いやもう、驚いたね。普通の休憩スペースなんだけど、各席ともテーブルに備え付きのタブレット端末とクレジットカードリーダーがある。ロビー内はいろんな店が出店していて、端末の配置でどの席の注文かが管理できるから、客は店の前に居なくても好きな店のものを注文できる。注文の品ができたら端末に表示されるから取りにいってもいいし、持って来てもらうこともできる。会計はカードで払い済み。日本で例えるなら回転寿司チェーンのスシローだ。テクノロジーによって完全に自動化・無人化のほうに振っている。そういう店に入ってそうなのはわかるけど、公共の場もそうなっていたのは衝撃的だった。
 
まあでも、理屈で考えればこうなるよね。規模のメリットで勝負する商売は究極的には人件費が利益を左右するから、人が一番少なくて済む形に収斂していくのは当然なんだ。商売のやり方が二極化するというのは、チェーンストア的なこっちの形態に行くか、アーミッシュのようにとことん人間くさい商売に進むか、どっちかになるんじゃないかという意味だ。
 
前者のビジネスは“分業制”と“自動化”と“テクノロジー”の世界。この世界の“教義”は「あらゆる場面をシステム化せよ」だ。だから仕事は基本的にすべて単純労働に細分化され、その膨大な組み合わせで成り立つようになる。組み合わせのプログラムに多少のバグ――例えば私が向こうでセールで買ったパーカーは、定価2万円なのを店は1万円前後に値下げして販売したつもりが、レジの誤認で1500円で買えた。原因はレジのプログラムミス――が混じるのは織り込み済み。製造業でいう「歩留まり」の発想でひたすら“処理”していく。結果的に品質はそこそこに留まるが、でかい商売ができる。
 
いっぽう後者は“人”をとことん教育し、“マルチタスク”で、“品質重視”で、メーカーやフランチャイズチェーンの都合に関係なく独自の道を追求する。こっちのやり方では規模は望めない。でも、働く人のレベルは上がっていく。顧客満足も追求できる。地域のお客さんの生活に根を下ろして絶対的な支持を集めることもできる。でもやっぱり、でかいビジネスはできない・・・。
 
理想はもちろん両者の利点を伸ばすことだ。私自身それを目指してきた。でも、皆さんの会社もそうだろうけど、末端の従業員にまで理想を意識させるのは難しい。どちらがいい悪いという問題じゃなく、働くうえでの価値観が違うからだ。であれば、やはり割り切ってどちらかに振ったほうが経営としては賢いのか。でもなぁ・・・。
 
 

娘がロールモデルと出会った日
親の務めが果たせた

 
54歳にもなってまだこんなふうに迷うなんて予想しなかったけど(笑)、逆に言えば今回の視察はそれだけインプットが多かったんだと思う。JSPL-Travel(ジェイエスピーエルトラベル)の代表として一緒に行った娘が現地のトレンドを調べてくれたおかげですごい数の店を視察できたし、私は私で行けばビジネスの仕組みは大体わかるから、いつも以上に中身が濃かったんだよね。
 
せっかくだから娘の話もさせてもらおう。実は今回のアメリカ行には別の目的があった。ワシントンD.C.でコンサルタント会社を経営されている外資系投資銀行出身のKAYOという女性がいて、娘をこの人に引き合わせることになっていたんだ。KAYOさんも栃木県出身で、新聞で見て気になって検索したらフェイスブックでつながることができたのがきっかけで今回縁をもらえたんだが、3日間の予定が結局6日間も付き合ってくれて、いろんなところにアテンドしてくれて、娘にいろんなことを教えてくれた。娘も一所懸命に吸収していた。KAYOさんは仕事の面でも人物の面でも掛け値なしの本物だ。だから娘にはメンターのような存在になったようで、私はそれが嬉しかった。もっと正直に言うと、ホッとした。やっと親の務めが果たせたから。
 
娘は二十歳ぐらいのときにプチ留学をしてコーディネーターの仕事に触れて以来、外国人と一緒に仕事をするのが夢だった。それで大学卒業後は東京の日本語学校に就職したが、真面目で仕事に前向きだから自然に人の何倍も働くようになり、親としては心配でしょうがなかった。それで私が教鞭をとる専門学校の新規事業に関わることで栃木に帰って来させて、サトーカメラの法人事業部を手伝ってもらいながら、旅行業者の資格をとらせたり、JSPL-Travelを立ち上げて撮影旅行や私のアメリカ視察旅行のアテンド業務をさせたりしたけど、「もう大丈夫。あとは本人の努力で道が開ける」と思える感じにはなかなかならなかった。
 
今思うと、同性のロールモデルがいなかったんだね。これが男の子なら「自分の道は自分でつくれ!」と放り出すこともできるけど、女の子はそうもいかないじゃない。だからある程度は助けてあげるのが親の務めと思っていろいろやってきたが、最後のピースを埋めるのは結局人との出会いなんだな。KAYOさんというメンターでありロールモデルを得た今、つくづくそう思う。
 
いや、とにかくホッとした。あとは娘に寄ってくる男をバッサバッサと・・・というのは冗談で(笑)、この場を借りてKAYOさんにあらためてメッセージを伝えたいと思います。「ありがとうございます。そしてこれからも娘のことを、よろしくお願いします」。
 
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ワシントンDC&ニューヨーク5泊7日の旅
セミナー担当:JSPLトラベル 佐藤夏美
最終締切4月22日まで 。直接メッセージください >> jspltravel@gmail.com
 
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4月17日~5月31日までの勝人塾
■4月24日とやま勝人塾IN黒部
事務局/フォトサロンドン
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■5月5日ビジネス書出版会議IN宇都宮
事務局/同文舘出版 
https://www.facebook.com/events/2388205597877071/
■5月15日にいがた勝人塾IN巻
事務局/おぐま式POP塾
https://www.facebook.com/events/404419317005346/
■5月21日おおさか勝人塾IN大阪
事務局/経営コンサルティングアソシエーション
■5月22日ぎふ勝人塾IN岐阜
事務局/メイクオーヴァ
https://www.facebook.com/events/1273889646099401/
■5月28日とうほく勝人塾IN八戸
事務局/やまはる
 
第10回「ニコニコチャンネル ニッポン勝人塾」(5/13 15:00 – 16:00)の告知
 
 
 
繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.30 アメリカ遠征2週間、その収穫

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2019.04.17)
 

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