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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 

東京を好きになって仕事を続けてこられた

 
当初は「3年経ったら地元に帰る」という思いでモデル活動を始めた西山さん。現在の仕事を続けているのには、どのような思いがあったのだろうか。当時のご経験も振り返りながら、あらためて仕事に対するお考えをうかがった。
 
実は、3年目の頃には仕事と向き合って自分の人生を選択するゆとりはなかったんです。ありがたいことに、本当に多忙な日々を過ごしていました。一度立ち止まったり、少し休憩したりする暇もないほどでしたね。だから、気付けば「あれ?3年なんて過ぎてない?」という感じだったんです。
 
自分で選択することもできなかったというのが、振り返ってみると正直なところです。多くの仕事をさせていただく中で責任感も芽生えてきていましたから「やるしかないんだ」という気持ちで走り続けていた感覚です。実は、今でも「この仕事で生きていこう」と心に決めているわけではないんですよ。そういった覚悟をしないまま、気付けばここまで進んできていました。
 
ただ、東京を好きになったタイミングはありましたね。私はデビュー当初と変わらず、芸能界での活動を“仕事”と思うのではなく、自分がかつて感じた「これが東京なんだ」という“東京”のイメージとして捉えている気がします。だから、地元である新潟に帰った際に「ただいま」と言うのと同じように、東京も「ただいま」と帰れる場所になったと感じた時が、私がこの仕事を続けようと思ったタイミングなのかもしれません。
 
東京を好きになったきっかけは、多くの素敵な出会いがあったことです。モデル活動を始めた頃は、現場にもなかなか馴染めなかったこともあり、とにかく家と現場を往復する毎日でした。目の前の仕事に取り組むことに必死で、視野も狭くなっていたと思います。『CanCam』の専属モデルの頃は、朝早くから撮影が入っていたので、夜に友人とご飯を食べに行くのも難しかったんですよ。
 
そもそも私が、あまり外に出ないタイプでした。休みの日は家で過ごして、携帯の電源も切っちゃうくらい、世界を拒絶していましたね(笑)。それでも、根気強く誘ってくれた友人のおかげで、自分の世界が広がっていったんです。「生まれも育ちも違うのに、こんなに好きな人たちに出会えた」と、プライベートの時間も楽しめるようになりました。そういった出会いのある東京が好きになったんです。
 
 

モデルの仕事をより楽しめるようになった

 
モデル活動のほか、バラエティ番組やドラマ、CMなどさまざまな媒体で活躍してきた西山さん。垣根を越えて活動することで感じた楽しさや、大変さを教えていただいた。やはり初めての仕事では、大きな緊張が伴うのだという。
 
それぞれの現場で、関わる方や現場の空気が全く違います。毎回違った緊張を感じてきましたね。でも、たった一回の人生でこれだけの景色を見られるのは、本当に贅沢なことだと思うんです。それがどれだけ幸せなことなのか実感するようになって、よりこの仕事を楽しめるようになった気がします。
 
その中でいつも意識しているのは、原点にはモデルとしての私がいるということです。最近はモデルの仕事よりも、“西山茉希”として番組でお話しさせていただくことのほうが多いかもしれません。どれも楽しく大切な仕事であることに変わりはないのですが、「モデルとして静止画のカメラの前に立つのが好き」という気持ちが年々増しているように思います。
 
モデルの仕事は、自分を全面に出してはいけないんですよ。モデルとしての自分は、つくられた企画を最大限に演出するマネキンだと思っています。ヘアメイクさん、スタイリストさんの技術とセンスを背負い、企画をしっかりと理解し、みなさんを代表してカメラの前に立つ。それがモデルです。
 
みんなで一つの企画をつくり上げるチームプレイや、撮影がうまくいって満足してもらえた時の充実感が好きなんです。昔よりも、今のほうがモデルという仕事を好きになれていると実感していますね。そういった気持ちのほかにも、昔と今では、仕事にかけられる時間にも大きな変化があります。子どもが2人いますから、3人分のスケジュールを調整して仕事をしなければいけません。
 
自分の都合だけで仕事ができないということに、もどかしさを感じることもあります。でもその感情をきっかけに、この仕事が好きだと気付けたんですよ。もし私が、この仕事を好きでいなければ、きっと子育てを機に辞めていたと思うんです。しなくても良いことを、わざわざするだけの時間はありませんからね。でも、仕事をしている自分をなくしたくないと思ったから、続けているんです。多忙な中でも、オファーをいただいた際にはできる限り応えられるよう調整しています。
 
母になることで、何かを手放さなければいけないことはあります。どうしても、仕事をできない時期はありますからね。そういった経験があるからこそ、仕事ができることが当たり前ではなく、どれだけありがたいことなのかを実感しました。そして、仕事をする自分と母である自分、どちらも持てることが嬉しいんです。より感謝をもって、仕事も生活もできるようになりました。