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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

訪問介護で地域を明るく
障害福祉サービスも兼業

 

住み慣れた町でその人らしく暮らせるように

 
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吉井 事業を始めるに当たって、訪問で、しかも経験豊富な看護ではなく介護にシフトしたのはなぜですか?
 
金子 看護師の仕事では療養している高齢者の方を担当することが多かったものの、病院は何より治療が優先されるので、うちに帰りたいと泣かれてもなだめることしかできなかったり、「痛いからやめて」と訴える方にも点滴をしないといけなかったりします。ただ、ある時、患者様の療養をご自宅でお手伝いする訪問というやり方があると知り、一気に道が開けました。住み慣れた町でその人らしく暮らせるなら、それが一番いいと思ったのが訪問を選んだ理由です。看護じゃなくて介護にしたのは、今いるメンバーでできるという点も介護を選んだ理由の一つなんですよ。
 
吉井 さきほどスタッフさんをご紹介いただいた際も、皆さん「金子さん」でしたよね。ということは・・・?
 
金子 そうです。1人は長男の妻で准看護師、もう1人は次男です。訪問看護をするには規則で正看護師をあと2人集める必要がありますが、今は業界全体が人手不足ですから簡単ではありません。生活援助などの介護サービスならすぐに始められますし、介護初任者の次男も戦力になります。長男の妻は「私にできることがあれば協力したい」と言ってくれましたが、「何言ってるの。あなたはもう数に入ってるよ」と(笑)。
 
 

生活援助は利用者に安らぎを提供できる時間

 
吉井 あらためて、ハピネスななさんで提供しているサービスについて詳しくお聞きしたいです。さきほど生活援助を行っているとおっしゃいましたよね。そちらはどんな内容になりますか?
 
金子 家事全般のサポートですね。掃除に洗濯、ご飯をつくったり片付けたりなど、ごく日常的なことが多いです。足腰が弱っていて一人暮らしの方も3度の食事はもちろん必要です。寝室から隣の台所まで移動するのも大変ですから、私たちが代わりに準備をして食事をつくってあげているんですよ。
 
吉井 ご飯をつくってくれることももちろんありがたいですし、お一人で心細い時もあるでしょうから、一緒に食卓を囲んでくれる人がいるだけで気持ちが明るくなるんじゃないかなぁ。
 
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金子 そうだと嬉しいですね。80代のおじいちゃんが「ああ、うまい」って食べてくれて、「じゃあ帰るね」と私が立ち上がると、「もう帰っちゃうのか、寂しいな」なんておっしゃるんですよ。そんな時は「20年後、100歳と80歳でお茶飲みしようね」と励ましています(笑)。
 
吉井 介護は決して楽なお仕事ではないと思います。でも金子社長は生き生きと楽しそうにお仕事の話をされますよね。
 
金子 実際、楽しいんです。私も訪問に出ていますし、スタッフの2人の体調がすぐれない場合も代わりを務めるなどしてカバーします。一回一回の訪問が心に残る時間なんですよ。