
インタビュアー 八木裕(野球解説者)
西岡 実は私は31歳までニートだったんですよ。ひたすら実家にいて、そのままズルズルと・・・。
八木 え、31歳まで家で過ごしていたんですか?
西岡 はい。家で犬と遊んだり、ずっとパソコンをいじったりしていました。でも31歳の時に小さなネットショップの店員に応募して、それが社会に出るためのいいリハビリになりました。人に会わないですしね(笑)。
八木 社会経験がないところから、よく心折れずに来られましたね。
西岡 転職をする度に、毎回痛い目に合いましたよ。職場でクレームを起こして始末書を書けば「立派な始末書は書けるのに、なぜクレームばかり起こすのか」と言われたこともあります。社会経験がなさすぎて、みんな自然にできることが、なに一つできなかったんです。今もできてませんが(笑)。
八木 そこから今の事業を手がけるようになるまで、どんな経緯があったのですか?
西岡 唯一持ってた栄養士の資格を生かして、36歳で給食会社に入りました。それが人生初の正社員です。そこで学校給食の厳しい衛生管理を経験したことが今につながっています。のちに調理師免許も取得して転職し、食品衛生の指導員として働かせてもらえるようになりました。でも衛生管理を教えながら、お客様の会社のチラシやHP、動画を制作したり、SNSを活用してあげたりと、昔の経験を生かして何でもしてたんです。そしたら「絶対独立した方がいい」と強く勧められて独立したんですが、結局「君はサラリーマンに向いてない」という結論です(笑)。

西岡 ありがとうございます。ただやっぱり苦労はすると思います。軽はずみに「ニートでも大丈夫」とは言えませんが、自立する可能性は信じてあげてほしいなと思います。私自身、無知と経験のなさで苦労した分、人に物を教えるのは得意なので、どんな状況の人も優しくサポートして、社会に恩返しをしたいと思っています。
「仕事を楽しむ」とは‥
この社会には知らないことが無限にあります。仕事を楽しむためには、いくら年齢や経験を重ねても、社会のすべてをわかったような気にならないことが大事なんじゃないでしょうか。周りを見て、他人の意見を聞いて、常に勉強を続けて、どんどん新しいことにチャレンジしている人は魅力的に見えますしね。
(西岡成吾)