「うまく歌うためには口角を上げる必要があります。そうすると表情は自然と笑顔になる。笑顔をつくると、脳が楽しいと感じる」と語るのはボーカル教室マーメイドの徳永美里代表だ。幼少期から音楽をこよなく愛し、2020年3月、ついに自身の教室を立ち上げた。ウェイクボードのプロ選手としての顔も持つことから、立地には岸和田港に隣接する場所を選んだという。波の上を颯爽と滑るように人生をいきいきと歩む徳永代表。その明るい人柄に魅了される人は少なくない。
幼少期から一途に貫いた音楽への情熱

インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
徳永 いえ、私も小さい頃のピアノ教室では、真剣というよりも楽しく弾くことを一番に考えていました(笑)。そのおかげで高校進学を前に、「そのピアノじゃ音大進学は厳しい」と言われてしまいました。
狩野 えっ、そんなにはっきりと言われるんですか?
徳永 それぐらい厳しい世界なんですよ。ただ、その先生には音楽のセンスを認めていただけたので音楽を辞める気にはなりませんでした。それでピアノから声楽に転向し、高校生活を音楽に捧げ、大阪音楽大学に進学することができました。
狩野 早期に決断できたことが、結果的にプラスになったんですね。でも、音大もなかなか茨の道だと聞きます。
徳永 そうですね。1学年に約100人の学生がいて、卒業後、大学院に行けるのは4人ほど。そこでもまた、ふるいにかけられて、留学やコンクールの受賞などを経て、ようやくプロの声楽家になれるんです。
狩野 想像以上の狭き門だなぁ。今日はじっくりと、貴重なお話をうかがいましょう。