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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

建物の土台づくりを担う
精密な技術の型枠工事

 

ゼロからのスタートで父から会社を継ぐ

 
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狩野 御社の創業は1996年で、松本社長は先代のお父様に続いて、二代目でいらっしゃるそうですね。ずっとお父様と一緒にお仕事なさっていたんですか?
 
松本 いえ。以前はフォークリフトを使った倉庫作業など、型枠とはまったく関係ない仕事をしていたんです。その後、2014年に父が亡くなったため、弊社の経営を継ぎました。実は、高校を卒業した時に「父の会社に入りたい」と話したら、母に大反対されまして。母は父の間近で仕事の厳しさも知っていたからでしょうね。ただ、私はいつか父と一緒に働きたいと考えていて、それまでは家業の外で社会を学ぼうという気持ちで別の仕事に就いていたんです。
 
狩野 なるほど。それでは松本社長が会社を継ぐまでに、お父様から会社のことについて教わる機会はなかったんでしょうか。
 
松本 はい。ようやく家業に入って「これから一緒に働けるかな」と思っていた矢先に亡くなってしまったので、残念ながら会社や仕事について教えてもらう機会は短く、ほとんどありませんでした。
 
狩野 ということは、ほとんどゼロからのスタートだったんですね。熟練の職人さんも多くいらっしゃるでしょうし、いきなり二代目として会社を背負って立つのは大変だったと思います。
 
松本 そうですね。最初の1、2年は弊社の職人と意見が合わないこともよくありました。でも、お互いにまったく知らない仲ではなく、私が子どもの頃から弊社で働いてくれていて、私自身もずっとお世話になってきた方ばかりですから、腹を割って話し合うことでわかり合えたんです。
 
狩野 それは素晴らしいですね! 工事ではほかの業者さんとも協力することがあると思います。そのような周囲の反応はいかがでしたか?
 
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松本 ええ、やはり最初は「何も知らないやつがいきなり入ってきて何がわかるんだ」という雰囲気でしたね。でも、弊社の職人が現場できっちりと仕事をこなしてくれたおかげで、厚い信頼を得ることができました。だからこそ、“代が変わっても仕事の質は変わらない”と協力業者さんにも理解してもらえたんだと思います。弊社の職人たちには、本当に感謝しています。
 
狩野 そうした職人さんたちが、松本社長や会社のために頑張ってくれたのは、先代であるお父様の人柄もあったんでしょうね。
 
松本 それが一番大きな理由だと思います。正直なところ、私一人だったらどうにもできませんでしたね。型枠を加工するための図面の描き方も、最初のうちはまったくわからなかったんです。でも、会社を継いだからにはやるしかないですし、私自身も職人に認めてもらえるように、夜中までひたすら図面を書く練習をするなどして努力を重ねてきました。