顧客から課題を聞き出し、提案していく業務プロセスに洞察力やひらめきが求められ、収益の維持が非常に困難と言われるIT業界の営業職。高収益を確保するために必要な一連の活動を定義し、活動内容を明確にしたのが株式会社ITセールスアカデミーの北川裕史代表取締役だ。現場レベルの課題にも対応した人材育成プログラムと、革新的な働き方、給与体系の提案で「外資に負けない強い日本の営業人材を育成する」ことに情熱を注いでいる。
外資系や国内中小企業で営業を経験

インタビュアー 名高達男(俳優)
北川 大学卒業後、日本IBM株式会社に入社しまして。トータルで15年間働きました。そのうち13年は、金融業界やエネルギー業界を担当する営業職、2年間は本社で営業系の企画の職務に就きました。この2年間は自分にとって大きな財産になっています。いわゆる“昭和のモーレツ社員”のような上司に徹底的に鍛えられまして・・・。“原理原則をしっかり理解して、Case By Caseで考える”という自分の仕事のスタイルが確立され、門外不出のノウハウもしっかり吸収しました(笑)。
名高 日本IBMという外資の大企業を15年で退社した理由は何ですか?
北川 英語ができなかったので限界を感じたというのもあります。そして何より、大企業の看板を外して勝負したくなったんです。そこで2000年に独立系ITサービス企業に入社しまして。部下もなく、お客様もいない状態から複数の新規事業を立ち上げ、最終的には60名の部隊を率いる事業部長になりました。看板がないことの苦労を嫌というほど思い知らされましたね。ただ、本当の意味で実力もつきましたし、大きな自信にもなりました。
名高 ここでも順風満帆に思えます。独立のきっかけは何だったのでしょうか?
北川 外資系企業の仕事の仕組みを導入する企業が増え、そのコンサルタントとして招かれる機会が増えたんです。営業の改革や教育コンテンツの制作のほか、年間90日は講師として登壇していましたね。それで、本来の業務との両立が困難になり独立したんです。
名高 時代が北川社長の力を求めていたのでしょうね。そして、その声に応える形で、独立されたわけだ。