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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

日本刀で磨いた研ぎ技で
家庭包丁に真の切れ味を

 

日本刀で培った研ぎの技術を包丁に注ぐ

 
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杉田 藤川社長のこれまでの経歴も気になります。包丁の研ぎ職人になるまでの歩みを教えていただけますか?
 
藤川 私の家は祖父の代から美術日本刀の研ぎ職人でした。祖父が活躍した昭和初期は、江戸時代末期以降に国外流出した美術日本刀がどんどん国内に戻ってきた時期であり、一大刀剣ブームが起きたんです。私も3代目として後を継ぎました。
 
杉田 日本刀の美術性が国内でも認識されてきた時期だったんですね。美術日本刀研ぎ職人の3代目から、包丁の研ぎ職人になったのはどういった理由でしょう?
 
藤川 平和な方向に進みたいと考えたからです。美術品とはいえ日本刀も武器に違いありませんし、その洗練された美しさも、戦いやすいように改良された結果生み出されたものです。文化財として貴重な刀も、実は平和な時代にあっては無用のもの。そう考えると刀よりも、人の生活や幸せのためにある包丁と向き合いたくなったんです。
 
杉田 いろんな思いがあって、今の道を選ばれたのですね。確かに包丁は人と戦うものではありませんが、主婦にとって家事は戦い。包丁は武器といえますよ(笑)。お祖父様の代から日本刀という切ることに特化した道具を研ぎ続けてきた本物の技術を、包丁に注いでもらえるのはとても嬉しいですよ。
 
藤川 祖父や父から伝統を受け継ぎ、私自身はこれまで40年以上、刃物を研いできました。その技術で喜んでいただけるのは、私も非常にやりがいを感じます。それに研いでいる間にお客様とお話しするのも楽しくて(笑)。1人で黙々と仕事をしていた頃とは違うやりがいがありますよ。
 
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杉田 研いだ包丁で今晩のお夕飯をつくって、一家だんらんが弾んで――なんて想像するとさぞ楽しいでしょうね!
 
藤川 そうなんですよ。自分の仕事の先にある人の喜びを想像することが、日々の張り合いになるんです。
 
杉田 でも、私がそうだったように、包丁の本当の切れ味を知っている人はまだまだ少ないでしょう。その解決策は考えておられますか?
 
藤川 国家資格の整備ですね。褒められない技術や品が出回ってしまうのも、明確な資格や基準がないからだと思います。
 
杉田 研ぎ職人の国家資格とは興味深いですね。ぜひじっくり聞かせていただきましょう。
 
 
 
 

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