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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 千葉県出身。大学院卒業後、企業に研究職で入社して6年間を過ごした。その後、2008年に祖父の代から50年以上続くネクタイ・リボンの縫製会社(株)ツバメ日吉に入社。現在は常務取締役を務める。本場イタリア流のエッセンスに独自技術を加えた、芯のないネクタイ「セッテピエゲ」の開発を主導し、2016年からはテーラー8社へのオーダーメイド販売を開始している。【ホームページ
 
 
 
「ネクタイを“着けなくちゃいけないもの”ではなく、心から“武器”だと思って着けてほしい」──。ビジネス界のノーネクタイ奨励の風潮に敢然と抗い、大人のファッションに豊かな彩りを加えるネクタイの可能性を全国に広めようと、千葉県千葉市で奮闘している株式会社ツバメ日吉。世界でも珍しいオーダーメイドのネクタイを追究する同社の渡辺孝太郎常務取締役に、これまでの歩み、ネクタイの奥深さについてたっぷりとうかがった。


 

テーラー通じ手縫いオーダーメイドタイ販売

 
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インタビュアー 水野裕子(タレント)
水野 ツバメ日吉さんはネクタイの工房ということで、なるほど、足を踏み入れた瞬間、布地の独特な香りに包まれたようでした。御社はずっとネクタイを専門に手がけておられるのですか?
 
渡辺 他に女性向けのリボンも扱っていて、ネックウェア専門でやらせていただいています。戦前は岐阜県で瀬戸物を販売していた祖父・渡邉公平が、1963年に興した会社です。
 
水野 それはまた、全然違う分野ですね。
 
渡辺 はい。戦後に上京して、時代の変わり目に刺激を受けたのでしょうか、祖母が洋服販売のお店を始めました。お得意様から「ネクタイというものがある」と教わり、それを聞いた祖父がネクタイメーカーを立ち上げ、ツバメ日吉は、そのメーカーの下請け工場としてスタートしたというわけです。
 
水野 現在は、テーラーのお店を通じて、オーダーメイドのネクタイを販売してらっしゃるとか。
 
渡辺 2016年から、試験的に始めたばかりです。今は私の父である泰正が社長を務めており、私が入社したのは2008年。その後、手縫い事業への参入、セッテピエゲというタイプのネクタイの開発開始と段階を踏んで、いよいよオーダーメイドのネクタイを本格展開できるところまで来ました。
 
水野 そうでしたか。渡辺常務は、ずっと家業を継ぐおつもりだったのですか?
 
渡辺 いえ、実は私、30歳まで大手企業で研究職に就いていたのですが、どうも性に合わないなと(笑)。結局、入社6年で退職し、弊社で経験ゼロから再出発した形です。