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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

“好き”を追求し続ける
車とバイクのメカニック

 

カートへの思いを込めて整備する

  水野 そのお仕事は、後藤代表にとってどこが一番の魅力なのでしょうか。
 
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後藤 カートをつくる人と整備する人、そして乗る人の力のどれが欠けてもレースには勝てないんです。三位一体、チーム全員で協力しながら力を出し尽くした結果、優勝できたときの喜びは何物にも代え難い。そこが一番の魅力ですね。
 
水野 通常のバイクや車とレーシングカートでは、走る目的が違いますよね。カートのメンテナンスを始めたとき、プレッシャーは感じませんでしたか。
 
後藤 それは当然ありました。なんと言っても、ネジが1本、少し緩んでいただけで全てが台無しになってしまう世界ですからね。すでに何百レースも経験していますが、今でもカートがスタート位置に並び、エンジンがかかって走り出すまでは心臓がバクバクします。
 
水野 最近の自動車は、マシンというよりコンピューターに近いものになっていますよね。でも、レーシングカートはシンプルなマシンそのままです。冷や汗をかくようなご経験もたくさんあると思います。それでもやはり、楽しいと感じることのほうが多いんでしょうね。
 
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店内は作成中のカートのパーツなどで溢れている
後藤 もちろんです。コンピューターに頼らず少しでも速く走るにはどうすればいいか、知恵を絞ってエンジンの調整をする、カートをセットアップする。それで結果が出たときは、嬉しくてたまらないですよ。
 
水野 後藤代表がメンテナンスで大切にしていることがあれば、ぜひ教えてください。
 
後藤 カートを組み立てるにも整備するにも、思いを込めることでしょうね。ただなんとなくメンテナンスしただけのカートは、しっかり走ってくれません。逆に、我が子のように気持ちを入れて整備したカートは、速く走ってくれるんですよ。レースの前は「これから走るのでよろしくね」と話しかけ、レース後も「今日は一生懸命頑張ってくれて、ありがとう」と声をかけながら磨き上げる。するとカートはその声に応えてくれるんです。カートに限らず、車やバイク、その他の物事、全てに言えることだと思います。
 
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オリジナルバイクのフレーム
水野 まるで、生きているみたいですね。実を言うと私、何度かレース用のカートを運転したことがあるんです。おもしろかったのは、アクセルを同じように踏んでも、カートごとに初速の出方やスピードの伸びが違うこと。それに、メカニックの方がほんの少しエンジンをいじっただけで、同じカートでもアクセルの具合がまったく変わることでした。それも、カートが生きものだからなのかもしれませんね!