学生時代の修学旅行や遠足を振り返ったとき、バスの中で友達とワイワイしながら過ごした時間を思い出す人も多いだろう。バスは単なる移動手段ではなく、旅行を思い出深くする空間でもあるのだ。いっぽう、昨今は事故などにより負の印象を持たれがちなのは事実である。その現状に立ち向かうべく、株式会社バスくるを経営する浮舟崇弘代表取締役は、様々な手法でバス業界の仕組み改革に取り組んでいる。
工夫の余地が尽きなかったバス業界

インタビュアー 城彰二(サッカー元日本代表)
浮舟 ホテル業界で働いていたときに、オーストラリア人の従業員と一緒に、今でいうインバウンド誘致の旅行会社を立ち上げまして。その際にバス業界と関わったことが第1歩ですね。自分で運転をしたり、バスの手配などを行ったりする中で、この業界が楽しいと感じ、旅行会社が軌道に乗ったこともあって本格的に転身したんです。
城 バス業界のどういった部分に楽しさを感じたのでしょうか?
浮舟 一言でいえば、伸びしろですね。私が転身した当時、高速バスはまだまだ長距離を走る路線バスと言っても過言ではありませんでした。しかし、現在の大手バス会社の前身である旅行会社で社長を務めていた方や、そのチームのお手伝いを外部からさせていただき、パウダールーム付きのバスや待合室などのアイデアをご提供した際には、考えが形になる喜びを感じましたよ。
城 現役時代にチームバスのお世話になったことを思い出すな。僕が18歳のときは、浮舟社長がおっしゃったように、本当に路線バスみたいだった(笑)。それがどんどん進化していったんですよね。その一端を担っていた人物にお会いできて感激です!