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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 岩手県出身。15歳で大工職人の道へ入り、わずかな時間にも修業に打ち込み腕を磨いた。2013年に伝統建築 上総匠の会(株)を設立。千葉県指定地域材サンブスギを用い、「大福柱工法」「大福柱木形組工法」などの工法で木造住宅をつくりあげる。2016年8月には自社加工場も創設。匠の技をいかんなく発揮できる環境を整え、伝統工法の住宅づくりにより注力している。【ホームページ
 
 
 
健康志向の食事をするには、相応しい食材や料理の腕が必要となる。同じく、伝統的な家に住むなら、建てる家に見合った木材や技術を持った職人が必要だ。伝統工法を知る職人の1人、伝統建築 上総匠の会株式会社の大坪格代表取締役は、半世紀以上のキャリアを持つ大工として、超省エネ住宅である里山の復活に情熱を注ぐ。都会の便利さを理解したうえで、木と共に暮らす良さも思い出してほしいと語る大坪社長のまなざしは、日本全国に向けられている。
 
 
 

木材に温もりを与える加工場

 
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インタビュアー 川上麻衣子(女優)
川上 主に木造建築を手がける伝統建築 上総匠の会さん。本日は、2016年8月に完成したばかりの加工場にお邪魔しています。緑豊かな良い環境ですね。
 
大坪 ありがとうございます。国産材と地域の木材を使うために、里山の近くを選びました。
 
川上 「大福柱木形組工法」など、伝統工法に強い上総匠の会さんですから、やはり木材の加工も手作業で行うのですか?
 
大坪 もちろんです。機械といってもせいぜい精度検査機くらいで、カッティングから全て手仕事。ほら、ここに並んだ角材も、1本ずつカンナで平らにしていったんですよ。
 
川上 表面がさらさらで、触ると温もりを感じますね。でも、カッティングくらいは機械に頼ってもいいのでは?
 
大坪 いえいえ、例えば柱の木材1つとっても、指紋のように違うものですからね。資材選びから全て、きちんと自分たちの目と手で確かめなければいけません。例えば、あそこにあるのは現在建築している見山さんご夫妻宅の大福柱。ご主人と一緒に千葉の里山に入って選びました。また、他の部分に使った木材の中には、ご主人と青森県大間まで出かけて選び抜いた1本もあるんですよ。
 
川上 青森まで!? 手間も時間もかけてじっくりとつくりあげていくんですね。それが、木の家が温かい理由かもしれません。