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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

障がい者支援と音楽療法で 
地域に根付く福祉事業者

 

音楽の秘められた力を実感

 
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宮地 地域の方にとっても、音楽デイサービスは耳慣れない言葉だったと思います。反応はいかがでしたか。
 
岡本 幸いにも、ケアマネジャーの方々が共感してくださったこともあって、オープンから間もなくしてすぐ定員に達しました。施設内にはピアノやドラムを設置し、音楽を用いたエクササイズをはじめ、歌や楽器でのリハビリなどを行っていて、嬉しいことに「歌の会」以上の効果が現れています。
 
宮地 寝たきりの方が手拍子をされるようになっただけでも感動なのに、それ以上の効果が?
 
岡本 はい。例えば、高齢になると、排尿をコントロールすることが難しくなるので、利用者様によってはスタッフが時間を見計らってトイレの利用を促すことがあります。そうした状態が日常化していたある利用者様が、「もうすぐ歌の時間が始まるから、その前にトイレに行っておく」と自発的にトイレを利用されるようになったんです。
 
宮地 へぇー、本当にすごい効果! 音楽の力が自立を促したと言っても過言ではないと思います。
 
岡本 今では地域包括支援センターからも、「施設利用者以外の方にも音楽療法を広めてほしい」、と依頼され、体験イベントを開くこともあります。音楽療法を取り入れているデイサービスは他にもありますが、当施設が日本で最も進んでいるのではないかと思いますよ。
 
宮地 そういえば以前、耳の不自由な方々に生演奏を聴かせるイベントがあると聞いたことがあります。なんでも音は聞こえなくても、空気の振動で音楽の魅力は伝わるのだとか。
 
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岡本 確かにそれは感じます。最近、障がいをお持ちの方を支援する訪問型のサービスに新たに取り組み始めまして。その中で、ハンディキャップを持っていても音楽や楽器の演奏が好きな方はたくさんいること、音楽に触れることで心身の状態が良くなる兆しがあることを実感しています。また、人の輪がつながることもあるんですよ。
 
宮地 音楽を通じて、新たな出会いが生まれることもあると。
 
岡本 はい。私たちが支援している方の中に、障がいを持ちながらもピアノがたいへんお上手な方がおられまして。しかし家では思う存分にピアノが弾けないからと東林バーベキューに来てピアノを弾いていたところ、そのピアノを聴いた同じく障がいを持つ女の子が「私もピアノを習いたい」と言って習い始め、今では目を見張るほど上達しています。障がいを持つその子が、私たちの活動がきっかけになり、やりたいことを見付けられたのだとしたらとても嬉しく思いますね。