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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

閉塞の時代を打破する鍵は
原点に立ち返って見つけだす

 
 
いわゆる 「閉塞の時代」 が続く中、若手経営者の多くもまた、大きな壁にぶつかっている。この状況を乗り越えブレークスルーするためには、周囲のブレーンとの協業関係を構築することが必須だ。これまでにアートやオペラなど、多くの異業種コラボを実現してきた宮本亜門氏に、協業を成功に導くコツを聞いてみた。
 
 

化学反応を起こすことを目指せばよい

 
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 まずは自分のアンテナを錆びないように磨き続けること。ブレーンとなる人それぞれが、敏感なアンテナを持っているわけですからね。その考え方や関心事に本気で共感し、興味を抱いてアプローチをすることが必要だと思います。
 おっしゃる通り、異業種コラボレーションは、進めていくべきだと思います。「これをやったら絶対にウマくいく」 という安パイな試みではなく、綱渡り的なトライこそが、新しいアイデアを生み、個性となって定着していきます。舞台の世界でもそうですが、お客さんは “何かが起こりそう” という予感に魅かれるから見に来るのであって、単に有名俳優が出演するからというのでは、固定客以外の集客が望めない状況が続きます。私は、この “何かが起こりそう” という予感を 「化学反応」 と呼んでいて、まさに異業種コラボレーションも、この化学反応が生まれる瞬間だと捉えています。
 こういった時代だからこそ、チャレンシはすべきだと思いますが、目的はチャレンジすることではなく、この化学反応をどう起こしていくかに置くべきでしょう。化学反応がおもしろいと考えるブレーンを見つけ、手持ちのアイデアを机の上に出して、共に選んでいく、ブレーンストーミングの作業からスタートしてみてください。その際に注意しなくてはならないのは、「私たちの業界では、普通はこうしない」 とか 「やったことがない」 というような発言をすることで自分の陣地を線で囲まないこと。また、アイデア出しの段階では、予算の話に囚われすぎないことです。化学反応は参加者が感じる “おもしろい” から生まれるもの。慣習とか既成概念で枠を作ってしまうと、お互いが魅力的に感じる場所に、一緒にたどり着くことが難しくなってしまいます。
 
 
 
誰もが閉塞を感じている時代だからこそ、チャレンジをすべきだと、力強い口調で語る宮本亜門氏。既成概念が通用しない時代には、新たな概念が生まれるチャンスがあるというのだ。亜門氏が考える、その論拠とは。
 
 

変化は恐怖ではなく興味対象だ

 
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 今までの法則からすれば “閉塞感” と捉えることになるのでしょうが、誤解を恐れずに言いますと、私は逆に 「おもしろい時代が来た!」 とワクワクしているのです。今までの関係性や顧客の中だけで捉えるから限界があるわけで、その先にはもっと広大な世界があることを、忘れてはいけないと思います。単純に市場を海外に求めるという意味でのワールドワイドビジネスに留まらず、「ここにこれ?」 といった意外性のある関連づけもそう。これまでは繋がることのなかった新たなコラボレーションが生まれる、開放的な土壌が、備わってきたと捉えられると思います。
 さらに、これは非常に感覚的な話ですが、「もっと人を感動させる」 「もっと人を喜ばせる」 という仕事の原点に立ち返ることで、今までとは違ったビジネスが生まれるのではないかと感じているのです。そして、世の中の価値観が大きく変動し、仕事が苦しいとかつらいとかいうのではなく、さらに、お金にも縛られることなく、人との新たな関係性の中で充足感を得ながら充分な生活ができる報酬なり満足が得られる、そんな時代が目の前に来ているような気がするのです。たとえば、世の中の恵まれない環境にある人たちを救うことで報酬を得るとか。お金だけでは得ることのできない充足感を手にした時、人は新たな生き方を見つけることができるのではないでしょうか。
 ガラッと変わっていく時代の中で、驚いて転んだりしないように、しっかり筋肉は蓄えておいたほうが良いでしょう。旧態然とした仕事は、新しい時代に対応できない人たちの間で取り合いになりますから、ビジネスの主戦場はそこに求めるべきではない。変化こそがチャンス。やがて訪れる新しい波に乗る力を蓄えておけば、変化は恐怖ではなく、興味対象へと変わっていくはずですから。
 
 
 
 
(インタビュー・文 伊藤秋廣 / 写真 Nori)
 
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