インタビュアー 名高達男(俳優)
名高 日々の暮らしにおいて、気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったりする経験は誰しもがお持ちだと思います。そういった心の症状に加え、眠れない、食欲が出ない、疲れやすいなど身体的な症状が表れ、日常生活をスムーズに送れなくなったら、うつの症状が出ているかもしれないと聞いたことがあります。そんなうつの症状に悩む方に寄り添うべく立ち上がったのが、合同会社ベイ・マックスの山口代表です。まずは、山口代表が起業を決意したきっかけから教えていただけますか?
山口 私は警察に勤務しており、辞めるまでの32年間、多様な現場に立ち会う機会がありました。多忙ながら充実した毎日を過ごす中で、なぜか急に気持ちが落ち込むようになってしまったんです。知らず知らずのうちに、心身が悲鳴を上げていたのかも知れません。しっかりと休養することが大切だと言われ、9ヶ月の間入院することが決まりました。専門家による心理的なサポートの一環としてカウンセリングも行われたものの、「何か違うな」という思いが強くなっていったんです。
名高 個人的なイメージとして、うつに至るまで、悩んでいる方は話すのも億劫になるものだと思っていました。
山口 人によっては家族や知人、友人など、あまりに身近な人間には話をする気持ちになれないこともあります。ただし、身近な人以外の誰かに気持ちを打ち明けたいと思う人も少なくありません。その思いを満たすカウンセリングのはずが、私の場合は何だかしっくり来ませんでした。そこで思ったのです。同じ経験をした自分だからこそ、悩みを抱える皆さんに寄り添えるのでないかと。その後、お世話になった警察を退職し、起業することにしました。
名高 山口代表は私たちにはない、警察官ならではの知見と視点をお持ちだと思います。そういった方が心に悩みを抱えた方々をサポートするというのは、相談する方にとっても心強いですよ。山口代表が皆さんに寄り添う中で、大切にしていることは何でしょうか?