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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

子の成長を見守る写真店
学校行事をカメラで記録

 

子どもたちに“遊んでもらう”感覚がちょうどいい

 
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 お義父様も、スクールフォトのカメラマンだったのですか?
 
柿木 はい。それで学校イベントにも「一緒に来る?」と誘われるようになったんです。行ってみると子どもたちとの遠足も楽しくて、だんだんとこの仕事に馴染んでいきました。そのうちに「本格的にうちでやってみないか?」と誘ってもらうものの、当時、私はまだ大手自動車メーカー系列の会社にいましたから、義父はかなり悩んだらしいですね。
 
 お義父様にしてみれば、娘の結婚相手ですからね。安定した仕事を持っているのに、家業に引き入れてしまっていいものかどうか、悩むのもよくわかりますよ。
 
柿木 実際に声をかけられた際も「1年ぐらいよく考えてね」と言われました(笑)。ただ、自分はもう完全にカメラの仕事に魅力を感じていましたし、義父の人柄に惚れていた部分もあったので、一応考える猶予をもらいながらも、転職する気満々で1年を過ごしましたね。
 
 気持ちは決まっていたんですね。ところで、一般の写真店での撮影だと、被写体との間に一定の距離があるのに対して、子どもたちの中に入って撮影するのは、まったく異なる難しさがありそうですよね。
 
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柿木 そうですね。現在、小学校6校、保育園5園、中学校1校を担当していて、それぞれの年代で子どもたちのカラーが違います。なので、小学校で撮影するときと保育園で撮影するときとでは、こちらのテンションも変えていく必要があるんです。全体に言えるのは、子どもたちと目線を合わせること。体の姿勢だけでなく、声のかけ方も“大人対子ども”にはならないようにしています。
 
 私にも娘がいるので、よくわかりますよ。子どもって、そういう距離感に敏感ですよね。一度警戒させてしまうと、やり直しがきかないこともありますし。
 
柿木 その通りで、最初にこちらがぼんやりしていたら出遅れてしまうので、「よろしくね~!」と明るく言いながら、どんどん子どもたちから絡んでもらうことを意識しています。スクールフォトは、被写体に“遊んでもらう”くらいの感覚がちょうどいいと感じていますね。
 
 子どもに遊んでもらう職業って、そうそうないかもしれないですね(笑)。でも、そのほうがうまくいくのも想像できます!