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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

子どもの人間力養う教室
英語と書道を通して育成

 

英語は目的ではなく生きていくためのツール

 
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タージン 教室でのいつもの様子が知りたいですね。崎原代表のお子さんたちとの接し方はどんな感じなのでしょう。
 
崎原 一番賑やかなのは小学生の英会話です。私が生徒たちの前を行ったり来たりしながら話しかけ、英語のやり取りに結び付けるスタイルです。時間になると日直のように順番で子どもたちがベルを鳴らし英語で「さぁ始めましょう」と言い、それが始業の合図でみんなで拍手してから会話に入ります。上級クラスは「今日1日どうだった?」と英語でのやり取りからスタートします。
 
タージン ワクワクする始まり方ですね。授業中は脱線なしでしっかり集中しますか?
 
崎原 教室の理念として“人間力”の育成を掲げている中で、集中力を養うことも重視しています。ですが、子どもたちは学校が終わってから教室に来るので、疲れてる時もあるんです。時には嫌なことがあった日もあるでしょうから、少し授業を離れて、「元気ないね。何かあった?」といった声をかけることもあります。しつこく問い詰めたりはせず、親戚のおばちゃんみたいな距離感でしょうか。
 
タージン お子さんが安心できる場所をつくろうとなさっているんですね。人間力を養う目的とも矛盾しないと思いますよ。
 
崎原 ありがとうございます。安心できる場は能力を発揮しやすいとも考えてます。英語は一つのツールであって、英語を学ぶことを目的にしないでほしいんです。英語を生かすのに何が必要かを身につけることも大切です。英語を話せることでどんな将来が待ってるかを意識してもらい、その実践を今から経験してもらうためにオンラインで外国人の先生とも話す機会も取り入れてます。書道でもきれいな字を書くだけでなく気持ちのコントロールや向き合い方なども時には伝えることもあります。
 
タージン 英語を学ぶことが目的じゃないというのはよくわかります。英語を道具として誰かに自分の意思を伝え、どんな行動を起こすかのほうが大事ですものね。
 
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崎原 そうなんです。小さな失敗をたくさんしたって良いし、間違っても良いんです。そうしながら成功体験をたくさんし自信をつけてもらいたいです。臆せずチャレンジする人を育てたいですね。
 
タージン 人間力という点で言うと、書道に取り組むことにはどんな意味があると思われますか? さっき集中力のお話もありましたね。
 
崎原 しんと静まり返った教室でじっとして文字を書くことは、大抵の子どもにとって緊張する作業のはずです。そこで集中を切らさないのは子どもだけでなく大人も良い鍛練になりますし、観察力を養い、限界からさらに1枚と書くことで実力を発揮します。やり切る力と“無”になることでマインドフルネスにもなって、気持ちを整理する術が自然と身につくと思います。