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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

行列のできる鰻の名店
伝統の味と本気の仕事

 

炭火で焼き上げる肉厚の鰻

 
glay-s1top.jpg 炭火で焼くので皮はパリッと、中はふっくら!
炭火で焼くので皮はパリッと、中はふっくら!
水野 手早く鰻を捌く様子に驚きました! 焼いていただいている間に、京都炭焼鰻 土井活鰻さんのこだわりについて詳しく教えてください。
 
土井 なんといっても、鰻のレベルが格段に違う点ですね。愛知県の三河方面から、そのとき最も良い状態の太物の鰻を仕入れています。通常200g程度のところ、当店は330~350gの大ぶりで肉厚の鰻を選定しているんですよ。そして、生け簀に入れて餌の臭みを取り除きます。こうすると味が断然良くなるのです。
 
水野 そんなに大きいんですか! 肉厚の鰻は食べ応えがありますよね。
 
土井 また、最初から最後まで炭火で焼くスタイルも先代から変わりません。あとは、店主である私が鰻への強い思いと覚悟を持っている点でしょうか。商売は信念・決意・覚悟があれば失敗しません。若い経営者の方に、よく「絶対に一番になる気持ちで店をやっているか?」と尋ねるんです。私は本気で取り組んでいるので、飲みの席があって帰りが遅くなった日でも、朝一番に鰻を仕入れに行きます。
 
水野 そうして努力を重ね、一度は断腸の思いで離れた鰻業界に復帰を果たされたわけですね。
 
土井 ええ。おいしい・おいしくないといった評価はお客様に決めていただくことで、私はただ自分のベストを尽くすだけです。職人を育てているものの、私は自分がやらないと気が済まないタイプなので、ここ半年間ほとんど休みを取っていません。
 
水野 土井社長のような方は頑張っている状態が当たり前で、頑張っていることにご自身で気付かない面があるのでは?
 
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土井 体の疲れはかつて経験した経営面での辛さと違い、寝ると楽になるので、頑張れます(笑)。さあ、鰻が焼き上がりました、水野さん、どうぞ召し上がってください。
 
水野 いただきます。うん、このうな重、おいしい! 皮がパリッとして、中はふんわり・・・食感がたまりません!
 
土井 鰻って身はもちろん、皮もおいしいんです。特に炭火焼きは皮まで味わってほしいのですが、外国人の方は残されることが多いのでもったいないですね。ちなみに当店は、「タレをもっとかけたい」という方のために、追いダレも用意していますよ。
 
水野 追いダレは親切ですね。本当においしいので、たくさんの人に味わってほしいな。