横浜港の本牧埠頭に拠点を構える株式会社石井商会。高温多湿など過酷な環境も多いコンテナ船航路にあっても商品を傷めないよう、頑丈かつ加工がしやすい木材を使用した“木枠梱包”の技術によって、荷主の厚い信頼を獲得している。代表取締役を務める石井光昭社長は、20年以上この業界に携わる大ベテラン。そんな石井社長にこの仕事にかける思いや、人材教育への意気込みについてうかがった。
大小の輸出向け商品を寸法通りの木枠で梱包

インタビュアー 石黒彩 (タレント)
石井 私たちは商品の寸法を測り、それに合わせてつくった木枠を組み立てて荷づくりしています。木枠梱包は、板と板の間が空いている木製の箱で梱包を行うので、中に入っている商品を見ることができるんです。一方で木箱梱包は、商品を箱状で梱包するので、密閉されて中身が見えない状態になっています。梱包したものをいかに隙間なくコンテナに入れ込むかも、私たちの腕の見せどころです。
石黒 取り扱う商品には重いものや大きいものもあるでしょうから、積み方が重要ということですね。ところで、石井社長はどのような経緯でこのお仕事に出会ったのでしょう?
石井 弊社はもともと私の父が設立した会社で、海外の商品を買い付けて日本に輸入するのが主な事業でした。私は17歳の頃に地元の先輩に誘われ20年以上この仕事に携わってきて、2020年に弊社を引き継ぎ、2代目に就任した次第です。