
インタビュアー 吉井怜(女優)
tatsu 私は、神経の病気で両手の指が動かない状態で生まれました。両親はさまざまな病院を回り、ようやくある診療所の先生が手術を引き受けてくださって無事に成功したんです。もちろん赤ちゃんだった私に当時の記憶はありません。でも、両親から「リハビリで理学療法士さんのお世話になった」と聞かされて育ったので、理学療法士という言葉は知っていたんです。
吉井 その出来事が、tatsu院長の人生を医療の道へ導いたようですね。
tatsu そうなんです。高校卒業前に進路を考えていたとき、両親からもらった職業ガイドブックの中に理学療法士が載っていて、迷わず進路を決めました。大学で4年間勉強し資格を取った私は、病院でリハビリを担当しまして。もちろんやりがいのある仕事だったものの、もどかしいこともありました。理学療法士は“医師の指示のもと”でしか施術ができません。例えば患者様のご家族から「腰が痛い」とご相談を受けても正式には何もしてあげられないんです。実はこっそりほぐしてあげたことがあったのですが、後で上司にバレて「それは業務ではない」と叱られちゃいました(笑)。
吉井 それでは、日常的な不調に苦しんでいる人を助けることができませんね。
