両親の導きで音楽に触れ、自ら楽しさを知る

インタビュアー 濱中治(野球解説者)
宝木 はい。ヴァイオリンやヴィオラ、チェロを専門に音質の調整を行っています。弓の毛替え、楽器の販売も行っているものの、お店を紹介するときは“調整専門”とお伝えしています。
濱中 宝木さんと弦楽器との出会い、調整をお仕事にするに至った経緯を教えてもらえますか?
宝木 一言で言えば、環境ですね。父が弦楽器のメンテナンスをする職人だったので。父はフルートは吹いていましたが、弦楽器は弾かなかったんです。私は3歳からヴァイオリンの練習をさせられるようになり、音楽の道に導かれました。母からもピアノを毎日習っており、とても厳しかったですね。最初は練習が嫌でしかたがありませんでした。
濱中 そんな宝木さんが現在、お父様と同じ職人として活躍されているわけですね。環境に導かれた後、これが自分の道だと思われたきっかけが気になります。
宝木 10代半ばで一度ヴァイオリンから離れて、東京の大学に進んだときにふと再開する気になって。そこで、オーケストラのサークルに入ったら演奏することにハマってしまったんです。それがきっかけとなって、父の仕事に興味が湧いてきたんです。
濱中 音楽に目覚め、自分の意志で戻ってこられて良かったですね。さて、それではいよいよ、音質調整のお話をじっくりうかがいましょうか。