アスベスト除去から塗装・解体・リフォームまで多様な工事を手がける建設会社。それが大阪府松原市の株式会社新栄建設だ。スタッフ全員がアスベスト除去の資格と高度な技術を持つ同社を率いるのは阿部将代表取締役。全国を飛び回るフットワークの軽さと的確な人材育成、仲間の絆や福利厚生を大事にする姿勢で業績を拡大している。建築業を基盤に「誰も見たことのない事業を生み出す」ことを目標に掲げて走り続ける阿部社長に、お話をうかがった。
個人事業主から修業を積みなおして創業

インタビュアー 濱中治(野球解説者)
阿部 私は中学まで野球に打ち込んでいました。父が建築職人だったこともあり、中学卒業後は昼に建築現場のアルバイトをして、夜は飲食店の仕事を掛け持ちしていたんです。体を動かすのが大好きだったので、そのうちに現場仕事が楽しくなってきて、20歳で一人親方の塗装職人として独立しました。ただ、一度は鼻をへし折られたんですよ。
濱中 若いうちにそういう経験をするのはいいことですよ。
阿部 ええ、私は当時、自分のやりたい現場ばかり選んでいました。でも、24歳の頃にそれが間違いだったことに気付き、より技術を高めるためにあらためて下積みから出直すことにしました。そうやって、経験を積み、2019年に周囲の方々の後押しで弊社を創業したんです。それからは、仕事を請け負うために営業をたくさんして、多くの方々に会う日々が続きました。自宅にいるのが1日30分くらいという日もありましたね。その中で、職人5名、事務員3名の陣容になるまで弊社を拡大してきたんです。