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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

「来てもらえる薬局、
出向く薬剤師」

 

個人宅を中心に在宅訪問サービスを展開

 
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タージン 近所の薬局で済ませるのではなく、御社の店舗を頼る患者さんが後を絶たないのはなぜなのか気になります。ぜひ、その秘密を教えてください。
 
山西 一般的な薬局では、一つの店舗に自分で考え、責任をもって行動を起こせる薬剤師が少ないところが多いように思います。一方、弊社の薬局では私を含め、店舗に社長経験のある薬剤師が3名、薬局の責任者経験がある薬剤師が6名在籍しています。このように、自分で考え患者様に寄り添い、責任を持った発言ができる薬剤師が多く在籍していることが関係しているのかなと考えています。つまり、いつ訪れても質の高い医療をお届けできる環境を整えています。
 
タージン いつでもしっかりした薬剤師から直にお薬をいただける。これは大きな特長ですよね。
 
山西 あと、弊社は薬剤師による在宅訪問サービスにも力を入れておりまして、1年前の2022年は月平均50件だった実績が、今では一気に140件まで増えました。
 
タージン 店舗に来局される患者さんが増えただけでも目が回る忙しさなのに、在宅訪問サービスが3倍近くとなると、山西社長も休んでいる暇がありませんね。
 
山西 弊社の在宅訪問サービスでは個人の患者様を中心に回っているため、特に手間と時間がかかります。私も訪問と外来調剤と両方、真剣に取り組んでいるため、毎日、分刻みのスケジュールをこなして休憩がほとんどありません。
 
タージン でも、それだけ在宅訪問サービスが求められるようになったということですよね。
 
山西 おっしゃる通り。在宅訪問は、薬局に行きたくても行けない患者様のためのサービスだからこそ、私たちもやりがいが大きく頑張れています。ところが最近は、利益のために在宅訪問サービスを始める薬局が増える一方でして。このような薬局は老人ホームやグループホームを回って、薬の利用状況や体調などのヒアリングもせず、数十人の患者様の薬を施設の従業員に渡して帰るだけの薬局が多々あると聞いているのと、実際、自分の目でもそのような薬局を見る機会もありました。それでも介護保険の点数が加算されるので大きな利益をあげるなどしています。
 
タージン そうなんですか! でも、施設の高齢者は、薬局を選べないし自分の足で行くこともできませんよね。
 
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山西 ええ。だから私は、質の低いサービスで稼いでいる薬局を見ると強い憤りを感じるんです。もちろん弊社も施設への訪問サービスを手がけているとはいえ、その対象はナーシングホームや医療サービスを向上したいと相談のある施設以外はしません。あくまでも人に寄り添う理念で在宅訪問を続けています。
 
タージン ポリシーを持たれていて素晴らしいです。御社には、どのあたりまで訪問をお願いできるのでしょう。
 
山西 移動時間もあるので、住吉区、東住吉区、阿倍野区、西成区、住之江区の南港の手前までと範囲を決めています。近年は往診専門のクリニックも増えていて、今こそ訪問診療が必要という固い決意で開業した医師との出会いもあり一緒に取り組んでいます。ただ、国や自治体から個人宅の訪問に取り組んでいる医師や薬剤師に対しての評価が低い状況なので、この点は本当に残念です。