プロフィール 大阪府出身。大手不動産会社に就職。任意売却の部署からスタートし、建売、売建、アパート、投資用不動産の建築施工販売の仕事を中心に大阪府・東京都・愛知県名古屋市・京都府で経験を積む。大阪本社に戻り底地の活用を含めた不動産総合のコンサルティングを担当するようになり、その経験を生かすために独立を決意。2022年11月に(株)Lino Real Estateを設立した。【ホームページ】
安い地代で貸しているのに、借地権で守られた住人がいるために値上げも売却も難しい「底地」。この問題の解決に力を入れているのが大阪市の株式会社Lino Real Estate(リノリアルエステート)だ。吉川英喜代表取締役は、20年以上も大手不動産会社で土地の取り引きを続けてきたベテラン。丁寧なヒアリングと調査で、地主と借地人の両方にメリットのある答えを提案し、都市の再生と日本の活性化に貢献するために立ち上がった。
地主が自由にできない「底地」問題を解決

インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
吉川 底地は不動産業界の用語です。簡単にご説明すると、貸した土地に借地人さんが住宅などの建物を建てて住んでいる不動産のことですね。このようなケースでは借地人さんに借地権が生じます。底地においては、貸借人を守ることを目的とした借地権のほうが強いため、地主さんにデメリットが生じてしまうんです。例えば地主さんが安い地代で土地を貸している場合は、固定資産税の負担で収支がマイナスになったり、思い通りに土地を利用したり売却したりすることが難しくなります。
亀山 自分の土地なのに赤字を出したり、自由に活用できなくなったりするのは困りますね。
吉川 そうなんです。さらに、相続の負担を減らすために所有権を遠い親族にまで分散させた結果、権利や利害が複雑に絡み合い、売却したくてもできない状態になっている土地もたくさんあるんですよ。このような底地の問題を解決に導くこと。それが私の使命です。