阿部　寳住代表は、もともと洋服がお好きだったんですか？
 
寳住　生業にしようとまでは考えていなかったものの、学生時代からファッションは好きでしたね。それで、好きなことを突き詰めたいと思い、アパレル業界に入ったんです。就職した会社では先ほどもお話ししたように、レディースブランドの商品販売に携わっていました。というのも、やはりファッションは、メンズに比べてレディース向けの洋服のほうが商品の幅が広く、バリエーションも豊富だからです。それで、レディースブランドでファッションやデザインの知識、ノウハウなどを学びたいと考えて、その仕事に就いたんですよ。
 
阿部　レディースブランドを取り扱う中で、この素敵な空間づくりの下地となるセンスを磨かれたんですね。そこから現在手がけているオーダーメイドのスーツにも挑戦しようと思われた経緯も教えてください。
 
寳住　もともと英国のファッションや映画が好きで、映画の登場人物が着こなすスーツを見て「かっこいいな」と常々感じていました。アパレル業界で仕事をする中で、縁あってスーツを扱う会社の方やテーラー、仕立て職人の方などと知り合う機会がありまして。私自身が着るスーツを仕立てていただくうちに、どんどんのめり込んでいったんです。
 
阿部　スーツを仕立てる方々とのご縁があったわけですか。