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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

法学の知識と刑事経験で
寄り添う終活サポート

 

刑事としての経験から終活の重要性に気付く

 
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タージン 松岡代表は元京都府警の刑事さんだったとうかがっています。早期退職してまで終活のサポートに取り組まれるようになったとは驚きです。ぜひ、これまでの歩みを教えてください。
 
松岡 まず警察官になるまで、紆余曲折ありました。少年時代は裕福な家庭ではなかったので、さまざまな理不尽なことを感じてきました。そこで、とにかく強い男になりたいと願ったんです。ただ、暴力的な強さではなく、法律的に強い弁護士や権力的に強い警察官に憧れていました。まずは勉強ができたので弁護士を目指して大学へ行き、司法試験を受験したんです。
 
タージン 正義感に溢れる少年でいらしたと。素晴らしいなぁ。司法試験は、かなり難しかったんじゃないですか。
 
松岡 おっしゃる通り司法試験の壁は厚く、何度も浪人を繰り返すうちに不安になりまして、塾講師として一度就職しました。1年半ほど勤めさせていただいた後、もともと目指していた職に就こうと、警察官になる試験を受け、28歳のとき京都府警の警察官になることができたんです。
 
タージン 夢を叶えられたんですね。警察官になられてどのような捜査を担当されたんですか。
 
松岡 初めは交番所の勤務です。その後、暴力団対策の通称マル暴へと配属され、日々市民の方々のために暴力団と闘ってきました。
 
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タージン すごく気さくで穏やかにお話をされますが、迫力があるとも感じていました。マル暴だったとお聞きして納得しましたよ(笑)。刑事さんから今のお仕事をするようになった経緯が気になります。
 
松岡 昇進して警察署の刑事課長として強行、知能、盗犯、マル暴、鑑識、全部を見るようになり、そこで実際に孤独死の現場で多くのご遺体を見ることがあったんです。中には腐敗しているご遺体もありました。決してこういう姿で亡くなりたくて亡くなったわけではないのに、この悲しい現実を少しでも多くの方に伝える必要があると感じ、終活の重要性について考えるようになったんです。
 
タージン 終活をしていれば、違った最期の迎え方をされていた方もいたのではと思いますよね。自分自身の人生も考えてしまいます。
 
松岡 おっしゃる通りです。さらに、特殊詐欺でお年寄りが大金を騙し取られてしまう被害を目の当たりにしてきました。「こういう電話は詐欺です」という呼びかけは行うものの、警察は事件が発生してから動くものなので、被害を防ぐという点で限界を感じていたんです。被害が発生する前に私が学んできたノウハウを活かして身近な方の手助けをしたいという思いもあり、早期退職して行政書士の資格を取り、当事務所を開きました。