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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

日本で使われてきた 優れた医療機器を世界に
株式会社ウイングメディカルシステムズ 代表取締役 加茂伸宏

 
プロフィール 福岡県出身。シーメンスヘルスケアジャパン(株)、GEヘルスケアジャパン(株)、エレクタ(株)、(株)東芝に勤務。医療機器を扱い、現場での技術支援や教育係を担う。定年退職を機に(株)ウイングメディカルシステムズを設立し、中古医療機器の輸出などを手がける。また大手メーカーの代理店として顧客の要望に応じて医療機器も販売している。修理業責任技術者や総括製造販売責任者、品質保証責任者、医療機器点検技術者証などの資格を保有。【ホームページ
 
 
 
医療機器と聞いても医療関係者以外には馴染みが薄いかもしれない。だが、病院などの施設でそれらは当たり前に使われている。当然、一定の年数が経つと新しい装置に交換し、古い装置は廃棄されることが多い。そのような中古の医療機器を、株式会社ウイングメディカルシステムズは海外に販売している。そのほか技術面の指導も行い、現地の人たちを助けている会社だ。代表取締役の加茂伸宏氏に詳しく話をうかがった。
 
 
 

まだまだ使える日本の医療機器に注目

 
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インタビュアー 石黒彩 (タレント)
石黒 株式会社ウイングメディカルシステムズの加茂社長は、中古の医療機器を輸出するという、珍しい事業を営んでいるとお聞きしました。
 
加茂 はい。自動車を輸出している会社がついでに医療機器も輸出しているケースはよくあるものの、医療機器に特化して輸出している弊社のような会社は珍しいと思います。
 
石黒 どのような医療機器を取り扱っておられるのですか?
 
加茂 メインは胸部、腹部、脳出血などの検査を行うCTや、脳、脊髄、関節、がんなどの検査を行うMRIといった大型の医療機器です。一台数億円するものが多く、特に発展途上国などでは導入が難しいんです。しかし、中古であれば買いやすくなります。
 
石黒 CTやMRIについては詳しく知らないものの、周囲の人からは話をよく聞きます。医療に役立つ高度な精密機器ですよね。
 
加茂 おっしゃる通りです。日本の医療機器は定期的にしっかりメンテナンスを行っているので、使わなくなったからといって捨てるにはもったいないんですよ。発展途上国以外に先進国でもニーズがあるので、弊社では買い取りにも力を入れています。私自身メーカーで長く技術者として働いていたので、人脈やノウハウをたくさん持っているんです。