21歳で解体業を始め20年超のベテランに

インタビュアー 鶴久政治(ミュージシャン)
池田 もともと私の父は工務店を経営していました。その影響で、私も21歳のときに解体業の会社へ入社しまして。2022年現在41歳なので、業界歴は20年を超えたんですよ。
鶴久 20年ですか! もう十分にベテランの域ですね。これまでに、特に印象に残った現場はありますか?
池田 そうですね。解体の仕事を始めて間もなく、新潟県中越地震が起きました。そこで私が勤めていた会社も、復興の応援に駆け付けることになったんです。テレビで見ていたがれきの山を実際に現地で目の当たりにし、衝撃を受けました。それと同時にそれまでにない使命感を感じ、「この仕事を絶対にやり遂げよう」という強い気持ちが湧いてきたんです。
鶴久 災害からの復興は、解体業のみなさんの活躍がなければ始まりません。人助けにも直結する現場ですから、大きなやりがいもあったことでしょう。それから、独立はいつ頃だったのでしょう。
池田 若い頃から「いつかは独り立ちしよう」と考えていたものの、なかなか勇気を出せず行動に移せないまま時間が過ぎてしまいましてね。それでも、お世話になった方々から背中を押されてようやく決断し、2020年に弊社を立ち上げました。
鶴久 周囲の方々からの熱い応援もあったのですね。いざ、独立した当時の心境や手応えはいかがでしたか。
池田 私はそれまでずっと親方を務めていましたから、どんな現場でも完璧な作業をすることには自信がありました。ただ、営業の経験がなかったので、最初は仕事を獲得するのに苦労しましたね。メインで行っている戸建て住宅の営業で不動産会社に出向いても無視されてしまったり、チラシをお渡ししても「すぐシュレッダーにかけるよ」と言われてしまったりなど・・・(笑)。独立後は営業の難しさを、身をもって知る日々が続きました。