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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

店舗用別注家具の製作に
家族や仲間と挑み続ける

 

職人魂で苦難を乗り越え、法人化を果たす

 
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松本 その後、職人として家具をつくり続けてきたのですが勤務先の西條木材工芸が、台風で屋根やシャッターが吹き飛んでしまう被害に遭ったんです。当時、70歳を超えていた社長は体力的なことも考え、これを機に引退を決意したようで、「もう会社を畳む」と言ってきたんですよ。
 
濱中 まだまだ頑張りたかった松本社長にとっては、まさに寝耳に水の展開ですね。
 
松本 ええ、社長の言葉を聞いた私も「そろそろ潮時か」と一度は引退を考えました。しかし、悩んだ末に「自分にはまだやらなければならないことがある」と決意しまして。やがて西條木材工芸は解散し、私が事業をそのまま引き継ぐ形で3年前の2019年に独立したんです。以前からの同僚だった80代のベテラン職人の2人、さらに私が会社を継承するタイミングで、私の次男と娘婿も仲間に加わってくれ、とても心強かったですね。
 
濱中 頼りになるベテランとフレッシュな新人のご子息たち。これは楽しみな布陣がそろいましたね。当初から事業は順調に発展したのではありませんか。
 
松本 いや、それが独立した途端に体調を崩し手術することになったんです。幸いなことに病気は完治したものの、立て続けに襲いかかってきたのがコロナ禍でした。この厳しい状況はどこまで続くのか、先々どうなってしまうのだろうと心配になることもありましたね。
 
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濱中 コロナ禍でみんなが外出を控えるとお店の営業にも影響が出ますし、結果的に店舗の家具も注文が減ってしまいますね。
 
松本 そうなんですよ。でも、いつまでも悪いことばかり続くはずがないと何事も前向きに考える性格が功を奏したのか、お取り引き先にも恵まれ、おかげさまで事業も波に乗り、昨年には弊社を法人化することもできました。
 
濱中 引退の危機から病気やコロナ禍まで、さまざまな困難を乗り越えてきた松本社長の職人魂は本当に見事ですよ。それでは、あらためて株式会社泉北工芸さんの事業内容を詳しく教えてください。
 
松本 弊社の仕事は店舗用のオリジナル家具を製作することです。ショーケース、カウンター、レジ台、包装台、陳列棚など多種多様な家具を製造しています。ご注文をいただく業種も、化粧品店、貴金属店、クリニック、美容室、飲食店などさまざまですね。