
インタビュアー 八重樫東(元ボクシング世界王者)
永田 大学卒業後、放送局に入社しました。この業界は当時から過重労働やハラスメントが多発しており、労働環境に対する問題意識を持つようになったんです。在職中に社労士の資格を取り、その後20年以上勤めた放送局を退職して人事労務の専門誌を刊行している会社に転職しました。どちらの職場でも、制作以外の業務の一つとして知的財産管理に携わったことから、弁理士の資格も取得しました。もともと起業の志向があり、社労士と弁理士という組み合わせを活かしてお役に立てればと思い、2022年4月に開業しました。
八重樫 マスコミでの十分なキャリアがありながら、次々と資格取得に励むとは、素晴らしいです。その原動力は何にあったのでしょう。
永田 やはり私自身、マスコミ・メディア業界に長く身を置く中でさまざまな社会問題に触れる機会が多かったことが影響していると思います。ずっと問題意識は持っていたものの、解決に導くには知識がないと太刀打ちできないと痛感し、勉強を重ねました。私の知識が誰かの助けになれば嬉しいですね。

永田 昨今は法改正で労務管理のルールも変わり、就業規則や社内規程の見直しを行う企業は増えていますね。一方で、最近はさまざまな業種で雇用によらない働き方が増え、新たな問題が生まれています。例えば、コロナ禍で需要が高まったフードデリバリーの配達員は、雇用関係のない業務委託契約のフリーランスで、トラブルが発生しても守られない事例が起こっています。こうした事態を受け、かねてからユニオンを結成していたこれらのデリバリー配達員やヨガの講師、音楽講師らが中心となり「フリーランスユニオン」が2022年5月に発足しました。ご縁があって、現在副代表としてお手伝いをしております。