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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

利用者とスタッフ両方の
思いに応える訪問介護

 

教育係としての経験が大きな糧に

 
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小野寺 自分がスタッフとして働いていた頃、ミスをした際にひたすら責めるばかりの上司がいて感じたことがあります。叱ることも大事だけれど、それだけでは人は育たない気がしたんです。それで、自分が教育係になったときは、やり方を変えようと思いました。
 
矢部 確かにそういう傾向の上司は多いようですね。昔は仕事の現場で怒られるのは当たり前という空気が多少あったものの、今の若い人たちはすぐに落ち込んでしまうかもしれません。今は何かあるとパワハラだと言われて問題になる場合もあるので、叱り方も難しいですよね。
 
小野寺 厳しく叱られるばかりだと、最終的にスタッフがつぶれてしまいますしね。ですから、失敗したときには理由を聞くだけでなく、良い面についても褒めるようにしています。
 
矢部 プライベートでも仕事でも、自分が誰かに認めてもらえるとやる気が湧くものです。その結果、成長にもつながると思います。
 
小野寺 そうなんです。会社が伸びるためには支えてくれる人材が必要。褒めて伸ばすことで質の高いスタッフに成長します。教育係を経験したことが今、経営面でもとても役に立っていますね。
 
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矢部 現場経験を積んで独立する人は多いけれど、教育係も経験してからの独立というのは珍しいので大きな強みだと思います。現場の仕事において、スタッフの方たちに心がけてほしいのはどんなことですか?
 
小野寺 訪問介護の仕事は施設と違い、利用者の方の家に行き生活の中に入り込むスタイルになるため、訪問先によってすべきことや滞在時間も違います。相手に対してやってあげるという姿勢ではなく、その方のために何ができるかと十分に考え、動くことが大事だと伝えています。
 
矢部 なるほど。利用者さんそれぞれの方に必要なことを自ら考え、主体的に動けるように、スタッフさんを育成されているのですね。
 
小野寺 はい。施設のように利用者様を受け入れるスタイルでなく、いわばアウェイの立場で利用者様に合わせていく訪問介護にこだわりたかったのも、独立したかった理由ですからね。スタッフのおかげもあって自分がやりたい介護を実現できていて、毎日が充実しています。