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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

難聴者に寄り添う
補聴援助システム導入支援

 
 
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名高 小野さんの情熱がひしひしと伝わってきます。それではあらためて、ロジャーとはどんなシステムなのかお聞かせください。
 
小野 健常者の皆さんは、難聴者の方が補聴器や人工内耳を付けていれば聴こえるだろうと思いがちですが、そうではありません。補聴器は周りのいろいろな音を正確に平等に拾ってしまうのです。そういった環境で、話し手がロジャーのマイクを装着したうえで話すと、その声をマイクが集音し、デジタル無線で聞き手の補聴器や人工内耳に付けたロジャー受信機へ直接届けてくれます。ですから、周囲の雑音にかかわらず、話し手の声をクリアに聞き手の耳に届けることができるんですよ。私が今日胸に付けているものが、最新機種のロジャーオンというマイクです。

名高 画期的なシステムだなあ! ただ、小野さんはネット販売のノウハウがありながら大手ECサイトを通じたロジャーの販売は行っていないのだとか。
 
小野 そうなんです。ロジャーは買って与えれば良し、売って終わりのシステムではありません。導入前に、ご本人やご家族、周囲の関係者との綿密な打合せが必要で、導入後も使用方法のご案内やアフターフォローなどのコミュニケーションが大事になってきます。ネット販売だとどうしても“売って終わり”になりがちなので、そういった説明をきちんとしてから販売するようにしています。
 
名高 ユーザーに寄り添う小野さんの誠意が感じられますよ。
 
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小野 ありがとうございます。以前あるお客さまの親御さんからロジャーの仕様に関する問い合せがあり、メーカーさんに詳しく調べていただいたところ、スイス本社まで連絡していただいてわかったことがありました。そのお客さまというのが学生さんでして、直接お会いしたときに、ロジャーをまるで身体の一部のように使いこなしていたんですよ。その子と将来について話していると、しだいに「フォナックでロジャーに携わる仕事をしてみたい」という夢が生まれたようでして。ロジャーが子どもにそういう目標をもたらしたのだと思うと、すごく嬉しかったですね。
 
名高 それは素敵な出会いですね! その学生さんのように、ロジャーで人生が変わる人も多そうだ。昨今のコロナ禍では直接コミュニケーションを取る機会が減り、孤立化の傾向が強まっていると感じます。そんな中でも聴覚障がい者の方が会話を楽しめるよう、小野さんの今後のご活躍を期待しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
会社員時代も仕事を一生懸命やっていたつもりでしたが、今は仕事へのボルテージが全然違います。お客さまだけでなく、ロジャーに関わるすべての方に、その熱量を伝えていきたいですね。
(小野有紀)
 

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ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコム

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コーディネート:瀬尾和久
取材:奥田歩人
構成:若槻春香
カメラマン:金山彩耶