B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

難聴者に寄り添う 補聴援助システム導入支援
ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコム 代表 小野有紀

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 名高達男(俳優)
名高 ヒアリングエイド・ボルテージ・ドットコムさんは、スイスの補聴器ブランド・フォナックが手がける補聴援助システム「ロジャー」の導入コンサルティングなどを行っているとうかがいました。まずは、代表を務める小野さんのご経歴からお聞きします。
 
小野 社会人第一歩目はアパレル業界で、大手婦人服小売店に就職し10年ほど新店出店事務局運営や接客販売などに従事しました。その後、グループ会社の業務用ユニフォームメーカーで、大手外食チェーンの制服の提案営業などを約8年担当しまして。当時業界初となる、ネット販売サイトの立ち上げにも携わりました。
 
名高 約20年もの間、アパレル業界で経験を積まれたんですね。それにしても、業界初となるネット販売サイトを起こしたとはすごいなあ。
 
小野 計画当初は、洋服も制服も、実際に試着していただいてから売るという従来の販売手法から抜け出せない方々の反対が多くて苦労しましたね。まだユニクロもない頃でしたから(笑)。ただ、いざ始めてみると大変ご好評いただきまして、無事成功させることができ、ライバル他社も追随してきたような状況でした。それを機に、ゆくゆくはネット業界で生きていきたいと考え始めたんです。
 
名高 そこからどのようにロジャーと出合うのか、その経緯をうかがっていきましょう。
 
glay-s1top.jpg
小野 ネットビジネスの知見を深めたいと思った私は、その後、いくつかのネット関連会社やIT企業で経験を積み、ネットとコールセンターの融合を図り、クライアントの業務支援を手がける企業に転職したんです。そこであるクライアントに常駐して補聴援助システム「ロジャー」の販売支援を手がけることになり、教育現場への導入支援業務に従事しました。その中で、聴覚障がいを持つお子さんや学生さんなど、難聴に苦しむ方のお役に立ちたいと思いまして。それでこのロジャーをもっと周知したいと、独立したんです。ロジャーは難聴者ご自身やご家族にはある程度認知されてはいるものの、まだまだ必要とされている方のもとに行き届いていないのが現状です。学校や企業側で購入していただいたり、個人での購入に対しても自治体から助成金がおりたりするケースもありますが、まずは学校や企業、行政などに知っていただかないと、制度の周知もままなりません。ロジャーを必要とするすべての難聴者の方へ行き渡るよう、当事業所での活動を通じて、もっともっとその存在を広めていかなければと感じているところです。