若者の就農を増やす変革
農業を魅力ある職業に
農業は数値化することで収穫量を予測できる

中塚 残念ながら、このあたりも耕作を放棄する農家が増えています。そして、畑や田んぼは1年でも放置すると農地として復活させるのが難しくなるんですよ。弊社を立ち上げた理由の一つは、そのような耕作放棄地の拡大を食い止め加西の農業を支えるため。「農業を辞めるから面倒を見てくれ」と頼まれた田畑を少しずつお引き受けした結果、現在は30ヘクタールもの土地を管理するようになったんです。
狩野 30ヘクタールとは驚きました。株式会社中塚農園さんは加西市の農地を守る最後の砦ともいえますね。ぜひ、良質な土地を次の世代に引き渡していただきたいです。それにしても、中塚社長が農業とどのような思いで向き合っているのか気になります。やっていて、つらいと思うことはありませんか?
中塚 実は農業と設計の仕事には共通点があるんですよ。農業の肝は肥料や農薬の量を数値化し適正に使うこと。そうすれば収穫量をほぼ正確に予測できるんです。数字が大切なのは設計も同じですから、そういった発見もあって、私はどんどん農業がおもしろくなったんです。
狩野 なるほど。農業を数字でとらえる発想は中塚社長ならではでしょうね。

狩野 そのメッセージは、特にこれから就農を考える若い人たちに届けたいですよね。
中塚 まさに狩野さんのおっしゃるとおり。そこで弊社は加西市の農業の未来を担う人材の育成にも全力を注いでいるんですよ。