個別指導塾・三井塾を運営するスリーウェル株式会社の三井慎太郎代表取締役社長は、中学時代、偏差値40台ながら猛勉強の末、偏差値70の有名高校に合格した過去がある。この成功体験を機に塾業界に身を置くようになった三井社長は、生徒に決して勉強方法を教えるようなことはしない。独特な教育方針を掲げるのは、何事も自ら取り組む自主性と積極性を育むことで、将来社会で活躍できる子どもを増やすという使命感からだった。
受験の成功体験を機に塾講師を目指す

インタビュアー 石黒彩 (タレント)
三井 今でこそ教育の現場に立っているものの、実は子どもの頃からずっと両親に「高校に行かなくてもいいからプロゴルファーになれ」と言われて育ってきたんですよ。中学では部活も禁止されました。勉強面では優秀な姉と常に比べられていたので、スポーツで活躍してほしいと思っていたのかもしれませんね。ただ、どうしても高校に進学したかった私は両親に必死に「高校に行かせてくれ」と訴えたんです。「地域で一番の有名高なら受験していいよ」とのことだったので、猛勉強しました。どうせ無理だと両親は考えていたと思います。ちなみにその時点で入試まで残り3ヶ月と差し迫っていたため、塾にも入れなかったんですよ。その高校の偏差値は70程度で、当時偏差値40台の私が独学で受験したのは、今思えばものすごい挑戦でしたね(笑)。
石黒 その差を埋めるのは簡単ではなかったでしょう? 結果はどうでしたか?
三井 無事に合格できました。受験の成功体験を機に勉強や教えることが好きになった私は、勉強が苦手でも諦めずにチャレンジすれば変わることができるのだということを伝えたいと思い、塾講師を目指すようになりました。もともと講師として独立する意思はなかったものの、25歳のときに大病を患い、それを機に人生観がガラッと変わりまして。自分なりの方法で勉強を教えたいと考えるようになった私は、2012年に当塾を開校したんです。