
インタビュアー 八木裕(野球解説者)
滝澤 私が中学に入学した時、同級生数人がブラスバンド部に入ったんです。「お前も来いよ」と誘われ、小さい頃に習っていた剣道とどちらを選ぶか迷った末に両親に相談すると「剣道は防具代がかかる。ブラスバンドなら楽器を貸してもらえるから」と言われ、1ヶ月遅れでブラスバンド部の門を叩きました(笑)。その時は、楽器やオーケストラのことなど何も考えていませんでしたね。
八木 その時の選択が滝澤さんの人生を大きく左右したようですね。
滝澤 そうなんです。私が入部した頃には、すでにブラスバンドの花形と言われるトランペットなどの金管楽器は奏者が決まっていました。残っていた楽器はクラリネットだけだったんです。しかも何も知らずに入ったブラスバンド部は指導が厳しいことで有名で、正月の三が日以外は休みがありませんでした。同級生は次々と辞め、結局、クラブで残ったのは私ともう一人の友人だけ。二人で励まし合いながら切磋琢磨してきました。
八木 その環境なら、めきめきと腕を上げることができたでしょうね。

八木さんのリクエストに応え『六甲おろし』を演奏
八木 音楽に人生を捧げられたような素晴らしいご経歴ですね。そして、ご自身のクラリネット教室をオープンされたと。
滝澤 ええ、関西フィルで35年活動して退団し2011年に当教室をオープンしました。現在は個人レッスン、出張レッスン、さらにオンラインレッスンなどさまざまな方法で、クラリネットの演奏指導や音楽の楽しさを広める活動にエネルギーを注いでいます。